ここから本文です

業界初、ワタミの宅食がプラ容器を回収し再資源化へ

5/9(木) 14:02配信

オルタナ

ワタミは5月9日、宅食事業で利用した弁当容器を回収し、再資源化する新たなリサイクルモデルを発表した。同時にバイオマスプラスチックを利用した弁当容器への切り替えも進める。高齢者食宅配を手掛ける企業としては初めての試みとなり、5月7日から愛知県内で実施している。(オルタナ副編集長=吉田広子)

ワタミは、全国510カ所に宅食事業の営業所を置き、全国10カ所にある工場で弁当を生産している。それを7500人の配達スタッフ「まごころさん」が毎日、23万人の利用者に届けている。手渡しを基本とし、全国約180の自治体と「見守り協定」を結んでいる。

ワタミは環境負荷低減の観点から、繰り返し使えるリターナブル容器を採用してきたが、課題もあった。

「工場では朝から夜まで水、電気、ガスを使って弁当容器を洗浄していた。洗い続けることで、容器が変形することもあった。労働者の負担も大きい。リターナブル容器は本当に良いのか。弁当容器は長い間頭を悩ませてきた問題だった」。ワタミの曽我部恭弘執行役員(宅食事業本部長)はこう振り返る。

こうした経緯もあって、同社は2018年11月、東日本エリアでリターナブル容器からワンウェイ容器への切り替えに踏み切った。ところが、プラスチックごみによる海洋汚染問題が広く認識されるにつれ、批判も受けるようになった。

弁当容器を使い捨てするのではなく、自社で回収し、再資源化できないか。こうして新たなリサイクルモデルの構築が始まった。

■愛知のモデルを全国へ

今回のリサイクルモデルは、愛知県津島市に弁当製造の基幹工場「ワタミ手づくり厨房」中京センターがあることから、愛知県内で実施することになった。愛知県、名古屋市からの指導・助言に加え、地元企業を中心に6社の協力を得た。

配達スタッフが弁当配達時に、使用済みの弁当容器を回収する仕組みで、愛知県内の36営業所、さらに弁当の製造拠点である手づくり厨房中京センターに集約する。対象商品は「まごころ手鞠」で、1日4700食生産されている。

集めた容器は圧縮し、協力企業が熱分解処理を行い、コークス炉ガス、コークス、炭化水素油に分解する。炭化水素油は再生プラスチックになるため、弁当容器への再利用を模索している状況だ。

愛知県内では、家庭系ごみの有料化が進んでいるため、生活者の節約にもつながり、行政側としても廃棄物処理費を削減できる。

今後は対象商品やエリアを拡大し、2021年度までに展開地域でリサイクルモデルの導入を予定しているという。全国展開した際には年間約6100 万食分(約1220t)のプラスチック容器がリサイクルされる見込みだ。

中京センターの古木哲也センター長は「利用者の負担も少なく、環境負荷を低減できるこのモデルを全国に広めていきたい」と意気込む。

ワタミの百瀬則子顧問(SDGs推進本部部長)は、「ワタミはSDGs(持続可能な開発目標)への貢献日本一を目指して、SDGs推進本部を立ち上げた。宅食事業では、エコ容器を一つ残らず回収して、リサイクルしたいという思いがある。宅食業界の新たなスタンダードになれば」と力強く語った。

最終更新:5/9(木) 17:12
オルタナ

オルタナの前後の記事

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事