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白人の銃自殺者急増中、原因はトランプ大統領

5/9(木) 6:00配信

JBpress

■ 銃乱射事件に驚かなくなった米国民とメディア

 日本が令和ブームに沸いている最中、米国では日常茶飯事のように銃乱射事件で人の命が奪われている。

 「令和前夜」の4月末には、カリフォルニア州パウウェイでは礼拝中のユダヤ教礼拝所(死傷者4人)、南部ノースカロライナ州シャーロットでは大学キャンパス(死傷者6人)で起こった。

 死傷者が比較的少なかったせいだろう。米メディアは地元メディアを除けば、どちらの事件も大々的には報道していない。

 米国人は銃で人が殺されることに麻痺してしまってのだろうか。

 米疾病対策センター(CDC)によると、銃で殺された米市民は、ドナルド・トランプ政権になってからは年間1万5000人台で高止まりしている。

 銃はほかの人間を殺すだけではない。世の中に絶望し、銃で自分の命を絶つ人が後を絶たないのだ。

 銃による自殺者数は2016年には2万2938人、2017年は3万9773人と急増している。銃によって殺された市民の約2倍になっている。

 1万人当たり6.9人が銃で命を絶っていることになる。トランプ政権になって銃による自殺者は着実に増えている。

 (https://www.theguardian.com/us-news/2018/dec/13/us-gun-deaths-levels-cdc-2017)

■ 失業率低下、経済好調なのに自殺者が増える

 MIT(マサチューセッツ工科大学)のノーム・チョムスキー名誉教授はこう話す。

 「自縛自棄に陥った国家は、トランプのような徹底した人種差別主義者で超国家主義者を生む。その元凶は銃文化だ。今米国が抱える最大の問題の一つは、プアーホワイト中高年の自殺だ」

 なぜ白人中高年が自殺するのか。トランプ政権になって銃による自殺者が増えている理由は何か。

 失業率は下がり、米経済は好調だというのになぜプアーホワイトの男たちは死を急ぐのか。

 こうした疑問に真正面から答える本が出た。

 トランプ大統領の支持者の多い南部テネシー州や中西部ミズーリ州、カンザス州に足を踏み入れて、精力的に聞き取り調査を行った精神科医で社会学者の新著だ。

 ただデータを分析しているのではなく、自殺する白人中高年層の深層心理に至るまで精神科医として診断し、分析しているところがこの本の強みと言っていい。

■ 社会学・精神医学の「二刀流」で自殺症候群を分析

 著者はテネシー州ナッシュビルにあるバンダービルト大学のジョナソン・メッツル教授(55)。同大学医学公衆衛生研究所所長を務める傍ら、社会学と精神医学を教えている「二刀流学者」だ。

 著書のタイトルは『Dying of Whiteness: How the Politics of Racial Resentment is Killing America's Heartland』(白人たちが死んでいく:人種の不満を煽る政治は米国のハートランドをいかにして殺してしまうのか)。

 ハートランドとは、伝統的な価値観が支配的な米大陸のど真ん中、南部、中西部を指す。

 メッツル博士は、米国のハートランドであるミズーリ州カンザスシティ生まれ。その後南部、中西部各地に住み、ミズーリ大学で医学博士(精神科)を取得した後、シカゴ大学大学院で米国文化を専攻し、社会学博士号も取得している。

 同博士はプアーホワイトと銃文化の相関関係を社会学と精神医学の両面から究明してきた。

 同博士が実態調査の対象にしたのは土地勘も生活感もあるミズーリ、ミシガン、テネシー州の低所得層の住むプアーホワイトたちだ。

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最終更新:5/9(木) 6:00
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