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世にも恐ろしい「脚気」に苦しんだ江戸の人々を救った“ある野菜”

5/10(金) 18:00配信

BEST TIMES

名門中学の入試問題をひもときながら、江戸の町の武家・庶民の真実の姿をあきらかにしよう。歴史を学び直したい大人、必読! 東京・お茶の水女子大学附属中学校の入試問題から江戸野菜と脚気をひもとく。

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2009年 お茶の水女子大学附属中学校 東京都・国公立・偏差値68※四谷大塚データ
社会科目入試問題より
 

問題:江戸時代、江戸の周辺でも野菜や果実がつくられました。
   江戸の周辺でつくられた特産物として、あてはまるものを次の
   アからエまでの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
   ア、だいこん イ、はくさい ウ、りんご エ、みかん

「答え」:ア、だいこん

■江戸野菜から江戸の健康事情、食事情をひもとく

 いわゆる「江戸野菜」に関する問題ですね。

 江戸の町は100万人の人々が暮らしていました。

 ということはその胃袋を満たすのに、八百屋や振り売りだけではとてもじゃないけど無理です。

 そこで役立ったのが、江戸近郊(当時の江戸近郊は、現在は都内であること
も多い)の農村です。この農村たちから野菜などを仕入れることができたこと
により、江戸の人たちは飢えずにいられました。

 その「江戸・江戸近郊の農村で生産された野菜など」を、今は「江戸野菜」と呼び、「ブランド野菜」として地元も奨励。消費者や観光客にも人気があります。

 では、答えの「だいこん」から「当時の江戸の食材・江戸野菜事情」を見て
いきましょう! 

■大根が江戸患いの特効薬に

 〈そもそも、江戸っ子は「だいこん」とは言わない〉

 のっけから「え~!?」と思われかるかもしれませんが、事実です。

 じゃあ何て言ってたのかというと、「だいこ、でぇこ、でーこ(でへこ)」です。

 現代の私たちが「だいこん」と言ってるのを聞いたら、「野暮だ」と笑うか、上方の人間だと思うでしょう。(上方は「だいこん」と言っていた)

 東海道中膝栗毛や他の文献などを見ても一般的には「だいこ」が多かったようですが、大根売りは必ず「だいこ、でーこ」の二声セットで売り声としていました。

〈大根は“ある病”によく効きます〉

 もちろん大根だけの効果で治るわけではありません。

 他にも色々な食べ物の栄養や成分との融合の結果「治る」のです。

 しかし、特に当時のように現在のような医薬品がまだ無い状況においては、その薬効は明らかだったようです。

 ではその「ある病」とはいったい何でしょう? 

 答えは「江戸患(わずら)い」です。

 何のこっちゃ? と思うかもしれませんが、「脚気(かっけ)」のことです。

 なぜ大根が脚気に効くのか気になるところですよね。

 それには脚気がどういう病なのか知ったほうがわかりやすいと思いますので、説明したいと思います。

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最終更新:5/10(金) 18:00
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