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「高気密・高断熱の家ならヒートショックは防げる」のウソ

5/10(金) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

ハウスダストによるアレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、ヒートショックによる心筋梗塞や脳梗塞など、住まいが私たちに与える健康被害が大きな問題となっている。住宅メーカーは競って「健康住宅」を称して家づくりを提案しているが、実際はずさんな施工や設計の甘さなどからかえって健康被害を引き起こしているケースも少なくない。本連載では、書籍『“健康住宅”のウソ・ホント』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、耳ざわりのいい健康住宅の「宣伝文句」のウソを暴いていく。第1回のテーマは、「高気密・高断熱の家ならヒートショックは防げる」のウソ。

北側のトイレ・洗面所・浴室の「極端な温度差」

真冬でもヒートショックの心配がなく、Tシャツ1枚で家中を歩き回ることができ、スッキリと布団から出られる家。それが欧米では当たり前の、本当の意味での高気密・高断熱住宅です。

しかし日本の高気密・高断熱住宅の多くは、実際に住んでみると、高気密・高断熱住宅というのは名ばかりで、まったく快適ではないことに驚かされます。このような住宅は残念ながら本物ではありません。

特に冬になると、部屋ごとの温度差が激しく、廊下や浴室の凍えるような寒さ、床の冷え冷えとした感触に悩まされる人が後を絶ちません。そんな家屋では、急激な温度差によって心臓や血管に負担がかかるヒートショックのリスクも高くなります。

エアコンやストーブが効いた暖かい部屋から寒い廊下に出ると、体がゾクゾクして震えあがります。これは、急激な体温の低下を防ぐため、体温を調節しようとしている証拠です。

ヒートショックは最悪の場合、脳出血や心筋梗塞などの病気につながり、命を落としてしまうこともあります。特に高齢者や血圧の高い人、血管の病気を持つ人は注意しなければいけません。

ヒートショックを起こしやすい場所は、洗面所や浴室、トイレなどです。これらの場所は、日本では日当たりの悪い北側に配置されるのが一般的です。北側は日が当たらないだけにかなり冷え込んでしまい、真冬では暖かい部屋との温度差が14℃を超えることもあります。

また、全国の家における冬の寝室の平均室温は10℃、トイレの室温は約8℃といわれています。布団の中がだいたい30~32℃ですから、深夜トイレに起きただけでも、20℃以上の温度差を感じ、身震いを起こします。

これが冬の間毎日続くと、年齢問わず体に致命的なダメージを受けることになります。高齢者や体が弱っている人が血管系の病気を発症してしまうのも、無理のないことです。そのため、多くの家では体への負担を和らげるために、「前もって脱衣所・浴室・トイレをヒーターで暖める」「お風呂に入る前は、手足など心臓から離れている部分に『かけ湯』をする」「おじいちゃん、おばあちゃんは一番風呂を避ける」といった、涙ぐましい努力をせざるを得ないのです。

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最終更新:5/10(金) 9:21
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