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「闇金ウシジマくん」作者が見た平成格差社会

5/10(金) 5:10配信

東洋経済オンライン

 また、情報をうまく捉えることができる人とそれができない人の間での落差が大きくなっている。

 「17 Live(イチナナ)」というアプリでライブ動画を配信している女の子と最近会った。イチナナでは、動画を見てくれた人が送る「ギフト」というものを通じて報酬を得ることができる。彼女は普通の大学生だったけれど、動画投稿アプリの「TikTok」(ティックトック)でフォロワーをたくさん作っていたことで、イチナナを始めたら毎月100万円を稼げるようになった。

 東洋経済オンラインに連載されている「貧困に喘ぐ女性の現実」を興味深く読んでいる。そこに出てくるような不幸の連鎖の中にあったり、売れなくても風俗・キャバクラで頑張っていたりする女性がいる反面、稼げる情報をうまく捉える女の子がいるのも今の時代だ。

■心のバランスがどこか崩壊した女の子

 ――動画を見てお金を出す人がそれだけいるのも驚きです。

 ギフトを送ることで、寂しさや孤独を紛らせようとしている人たちが多くいるということではないか。ただ話を聞いた女の子は、酔っ払うと、ギフトを送ってくれる人たちを馬鹿にして罵倒していた(笑)。それなのにイケメンが「ちょっとおっぱい出してよ」と頼んだら、すぐにブラジャーを外す。彼女を紹介してくれたのがそのイケメンだ。

 この女の子は心のバランスがどこか崩壊している。「誰かに承認されたい」という欲求が強くあると話していた。でも水をどれだけ飲んでも、それが海水ならば、のどの渇きは癒やせない。彼女がイチナナで行っているのはそれと同じ。だけど、心が満たされなくても飲み続けるしかないと言っていた。

 ――今の話からも真鍋さんが多くの人に取材していることがうかがえます。連載期間中は何人に会ったのでしょうか。1000人くらいですか? 

 さすがにそこまではいっていないかも。取材は2巻目くらいからきちんとするようになった。

 「カウカウファイナンス」で働く従業員の過去も描いた「ホストくん」編では、50人くらいに会った。テレクラで売春する母と家出中の娘が物語の中心となる「テレクラくん」編では、竹の塚(東京・足立区)のテレクラに1日いて40代以上の女性に会い、ラブホテルで話を聞くということをした。

 そのとき会った人は歯の抜けている人たちが多かった。幼いときに親が歯磨きをしてあげていたか。虫歯の治療にお金をかけられるか、歯の状態には、育った家庭環境や現在の経済状況が表れる。歯はそういうバロメーターなので、マンガでは意識的に描き分けた。

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最終更新:5/10(金) 8:02
東洋経済オンライン

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