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『いだてん』の難局 大河ドラマ史上最低視聴率を招いた理由

5/11(土) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 うやむやにしてきた過去のお勉強について、今更人には聞けない。けれど、大河ドラマを観れば、いきいきとした輪郭がわかる。歴史を学び直すことができる。誰かに聞かれた時にも説明できる「私」になれる──そのあたりの潜在的欲求って、意外と大きいのかもしれません。「こっそり勉強」のニーズに応えて人気となったNHKの番組は他にもあります。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られて喜ぶという『チコちゃんに叱られる!』や『ブラタモリ』といった蘊蓄知識系番組のヒット要因ともどこか共通していそうです。

 とにかく、大河ドラマファンの場合、テーマが多少気に入らなくても、主役の俳優が好きじゃなくても、各視聴者にとって意味のある理由を一つでも満たしてくれるのなら1年間毎回、忠実に最後まで観続ける。それが基本的態度だったのでは。

 しかし、今回はちょっと様子が違う。なぜなのでしょう。『いだてん』を、ドラマの3要素から観察してみると──。

【1】「時代」 お定まりの戦国~江戸時代ではなく、明治・大正・昭和という近現代。
【2】「主人公」 教科書に記載されるような有名人「ではない」。
【3】「物語」 主人公を中心に一本軸が通っているのが大河のスタイル。しかし今回は複数の主人公的デュアルな展開。

 と、ことごとく異例尽くしです。上記三つの要素を一つだけハズすならまだしも、全部を定石からハズしたことが視聴率の低下につながった、と言えないでしょうか?

 【1】の「時代」は、大河枠ではせいぜい明治維新あたりまでしか馴染まない傾向があり、【2】の主人公も、ストックホルム五輪へ日本人で初参加したマラソン選手・金栗四三(中村勘九郎)について、たとえ知ったとしても歴史を学び直す快感にはほど遠い。【3】の物語の作り方も、「マラソンと落語」が相互乗り入れし、二つの素材をドラマの中に入れ込んだため話がゴチャゴチャしてわかりにくい。

 脚本担当のクドカンが自分の好きな落語にこだわりすぎてオリンピック話が崩れた、といった批判もあります。がしかし、クドカン一人を戦犯にするのは早計でしょう。クドカンにはクドカンにしか書けないホンがあるから。

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最終更新:5/11(土) 16:54
NEWS ポストセブン

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