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ホンハイ・郭台銘が「台湾版トランプ」になり得ない理由

5/11(土) 12:14配信

Wedge

「商人的な政治家」と「政治的な商人」

 5月6日付けの台湾「今日新聞(NowNews)」は、「富士康(フォックスコン)に共産党員3万人超、台湾人もいるか」と題した記事を掲載し、民進党の立法委員李俊●(人べんに邑)氏と行政院大陸委員会の主任委員陳明通氏が内政委員会会議(5月6日)で行った質問と答弁の一部を次のように報じた――。

李「郭氏の中国法人・富士康グループは、中国企業なのか?台湾企業なのか?」

陳「中国企業だが、社長は中華民国国民だ」

李「鴻海の台湾での株式時価総額は1.12兆台湾元、従業員数8000名。これに対して、中国現地法人の富士康は時価総額2.2兆台湾元、中国での雇用従業員数が100万人。さらに富士康社内に共産党支部を設立し、3万人以上の党員を有している。鴻海本社従業員数よりも多い。(台湾地区と大陸地区)両岸人民関係条例によれば、中華民国国民は共産党員になってはならない。これらの党員のなかに台湾人が何人いるのか?」

陳「これは大変難しい問題だ」

李「富士康は中国大陸から補助金を受けている。その総額は400億台湾元を超えている。補助金の多くは共産党から来ている。これは両岸人民関係条例に違反するのか?富士康グループは先月、声明を出した。台湾系企業が対中投資において補助金を受給するのは常態化していると言った。これが常態だとすれば、その企業の会長が台湾総統選に立候補するにあたり、利益相反の問題はないのか?法律は抜け道だらけで、法改正は必要ではないか?」……

 行き着くところは、「利益相反」の問題だ。この問題におけるトランプ氏と郭台銘氏の異質性を縷々述べてきた通り、郭氏は決して「台湾版トランプ」ではないし、なり得もしない。直感的な表現になるが、トランプ氏が「商人的な政治家」だとすれば、郭氏は「政治的な商人」である。

立花 聡 (エリス・コンサルティング代表・法学博士)

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最終更新:5/11(土) 12:14
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