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ウナギもマグロも牛肉も食べられなくなった未来で何を食べるか?【DEAR HUMANITY】

5/12(日) 10:40配信

FINDERS

(この記事は2018年8月31日にFINDERSにて掲載されたものです)

2050年には世界の人口が100億人近くにまで増加します。今回は、将来の食料問題の解決策を模索する研究施設「イーストワールド」のお話です。今食べているものが食べられなくなる、食べ物だと考えていなかったものを普通に食べる。その変化は後から振り返らないとわからないものだとつくづく思います。私たちは将来何を食べて生きていくのでしょうか。ある未来の家族を覗いてみてください。

イーストワールドへようこそ!

『夏休みのおもいで 2030年8月26日(どよう)はれ

いちばん楽しかったのは、お父さんと妹とイーストワールドに行ったことです。

ムラサキに光るレタスや、お魚のフンをたべる花、ふえるジャム、空とぶ木のおいしゃさんがいました。昆虫がすきなので、やっぱり虫さんたちがかっこいいと思いました。世界はバランスでできているそうです。

そして、ぼくだけスペシャルパスポートが当たりました。だから、しょう来ぼくはイーストワールドにおひっこしします』

男の子がこの夏一番楽しみにしていたイーストワールドに行く日がやってきた。農業など人類の基盤を支える分野を中心とする、世界最先端のシステムが体験できるアトラクション施設だ。構想から20年、ついに昨年オープンした。遊べるだけでなく”学べる”という触れ込みが教育熱心な親たちに人気で、半年先まで予約がいっぱいだという。

今や、世界の人口は100億人に達しようとしている。みんなが肉や魚を食べたがったせいで、ウナギやイワシ、マグロに、牛肉は、政府公認の指定店でしか食べられない希少食材となった。世界的な取り決めで資源保護が強化されているが、年々供給量が減り続けている。

イーストワールドは開かれた場所で実証実験を行い、社会実装を加速させることで、サスティナブルな未来を実現させようというのが狙いだ。東の都トーキョーに、世界の最新技術を集約し、桃源郷を作ろうとしているのかもしれない。物珍しさもあって海外からわざわざ視察や旅行で訪れる人も多い。トーキョーから自動運転の無人バスで3時間。山の中に突如として現れるイーストワールドは、森の木々と一体になった巨大な植物園のようであり、他のどんな建物より未来を感じさせてくれる。

男の子と家族は、ゲートでブレスレットを装着してもらうと、大人気の巨大な水槽に走った。

「わぁ!大きいね。海だ!」

マグロ、マンタ、イワシの群れに、色とりどりの魚たちが優雅に泳いでいる。見上げるとトマトやハーブが生え、それを囲うように咲くクロッカス、ヒヤシンス、スイレン、バラ。

水産養殖と水耕栽培を合わせた循環型農業「アクアポニックス」の実験が行われている。魚の排泄物が野菜の生育に使われ、バクテリアの力で水が綺麗になる仕組み。開発された特殊な水によって、海水魚も生きていけるし、植物も育つという奇跡の水槽だ。

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最終更新:5/12(日) 10:40
FINDERS

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