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Netflixの「アンブレラ・アカデミー」は、新タイプの『X-MEN』なのか?

5/12(日) 12:13配信

WIRED.jp

スーパーヒーローもののテレビ番組は、お菓子のレシピに似ている。意外な組み合わせの材料を、おしゃれなボウルに放り込む。つなぎになる材料を加えて、倍の大きさに膨らむまで思い切り泡立てる。風味づけに香料を入れてかき混ぜる。最後に、容赦ない炎で焼き上げておいしさを引き出す。これで美味なるケーキのできあがり、だ。

【動画】Netflixのドラマ「アンブレラ・アカデミー」

誰もがひたすら食べ続ける。満足を約束してくれるスーパーヒーローものは、見る者の心をどこまでも引きつける。視聴者たちは物語をむさぼり食べ、皿までなめ尽くす。どれもこれも見たことのある話ばかりだとこぼしながらも、やめられない。

今シーズンのメニューもその例に漏れない。「デッドリー・クラス」「ウォッチメン」、そして本日の特製デザート「アンブレラ・アカデミー」だ。

その味わいはというと、ノーブランド版の『X-MEN』といったところである。巨万の富をもつレジナルド・ハーグリーヴス卿という変わり者の老人が、いわくありげな子どもたちを養子として引き取る。全員が同じ日に生まれたのだが、その母親たちは出産当日になるまで誰も妊娠などしていなかった。

ハーグリーヴス卿は、屋敷の中で子どもたちにスーパーヒーローになるための教育を施す。出演者自身があの人気ドラマを持ち出している。養子たちのなかでもあまりミュータントっぽくない男を演じるロバート・シーハンは、ハーグリーヴスのことを『X-MEN』に登場する車椅子に乗った人物になぞらえて、「とんでもなく意地悪なプロフェッサーX。ただしこっちは歩けるが」と評するセリフを口にしているのだ。

“焼き直し”だが駄作ではない

後追い型のスーパーヒーローものだからといって、駄作呼ばわりすべきでない。ほとんどのヒーローものは焼き直しであり、『アンブレラ・アカデミー』も、そのひとつというだけのことだ。

「ルーク・ケイジ」や「ジェシカ・ジョーンズ」のような人気作品でさえ、もはやマンネリの域に達した見覚えのあるストーリー運びがしばしば目につく。視聴者からの指摘は免れないが、たいていは大目に見てもらえるだろう。

とはいえ、ジェシカ・ジョーンズのような酒豪ヒロインがもうひとり出てきて、タフぶりを見せつけるためにウイスキーをがぶ飲みし始めたら、さすがにつき合えない。王道の表現をどの程度ぶち壊してくれるかが、最近のスーパーヒーローものの成功度を測る基準になっているのだ。

一方で、あくまでもコミック本の世界観に忠実であることも期待されている。「ルーク・ケイジ」と「ジェシカ・ジョーンズ」は、非白人や女性を主役にしている点も評価できる。『デッドプール』と『マイティ・ソー バトルロイヤル』も突飛な展開で大人気だ。対して、期待外れに終わった「アイアン・フィスト」や、素材のよさを生かしきれなかった『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』への評価は厳しい。

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最終更新:5/12(日) 12:13
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