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日本人の「長寿化」がもたらす楽観できない未来

5/12(日) 8:10配信

東洋経済オンライン

 国際社会に目を向ければ、電子マネーの普及やドローンの技術などを見ると、日本はすでに中国の後塵を拝しています。中国では、20代の社長が年商数百億円の会社を立ち上げていたり、何を買うにもキャッシュレスが当たり前です。

 一方、日本は鎖国状態でどんどん離されていき、国際的な競争力は低下していきます。GDP(国内総生産)も中国だけでなく、ドイツ(2017年度時点で4位)にまで抜かれてしまいそうです。

 そうなると、世界的に見てもジリ貧になっていくわけで、何もしないで給料が上がるなんてことは、絶対にありえないのです。

 昭和型のキャリアプランでは、家庭のことは放ったらかしで、会社に対して全人格的に没入することも可能でした。そうすることが求められていて美徳とすらされており、会社側も十分な報酬や待遇で応えることができました。

 ただし、今の社会では終身雇用は事実上崩壊しており、自分自身の生活や家庭生活を犠牲にしてまで会社に奉仕することは、むしろ危険であり、馬鹿馬鹿しい行為であると理解するべきです。

■われわれは「80歳まで」働くかもしれない

リンダ・グラットン氏は著書『LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略~』において「100年ライフ」の到来を予測し、「教育→仕事→引退」という旧来の人生設計が過去のものになると提示しています。

 人生が短かった時代は「教育→仕事→引退」という古い3ステージの生き方で問題なかった。しかし、寿命が延びれば、2番目の「仕事」のステージが長くなる。引退年齢が70~80歳になり、長い期間働くようになるのである。

 90~100歳で死ぬのが当たり前になれば、80歳ぐらいまで働くことになるのは、何ら不思議ではありません。

 定年延長について「死ぬまで働けというのか!」とネガティブに捉える人も少なからずいるようですが、「そのとおりです」と言いたいです。

 これまで説明してきたように、年金や健康保険といった社会保障費は財源的に極めて厳しいと言わざるをえません。「60歳で定年を迎えて、老後は悠々自適に……」なんて悠長なことを言っていられたのは、70歳ぐらいで死ぬ時代で、なおかつ高度経済成長やバブル経済の余韻がまだ残っていた時代、すなわち「日本が豊かだった時代」の話です。

 日本は先進国であるとはいえ、もはや世界をリードしているとは言えないでしょう。だからこそ、生涯働き続けることから逃れることはできないのです。

小林 昌裕 :副業アカデミー代表

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最終更新:5/12(日) 8:10
東洋経済オンライン

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