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オールジャパンの地下鉄にインドネシアで試乗

5/12(日) 5:00配信

日経ビジネス

 インドネシアの首都ジャカルタで 4月1日、同国初の地下鉄「ジャカルタMRT(JMRT)」が営業運転を開始した。

リンク先の画像から「元記事へ」に飛ぶと、地下鉄車両の動画もあります。【関連画像】改札では乗客がスムーズに改札を通り抜けられるよう、警察官が丁寧に案内をしていた

●資金から調査、施工、車両、運転士育成までオールジャパン

 都心部の南北16㎞を約30分で結ぶ。この鉄道の最大の特徴は「オールジャパン」であることだ。日本の政府開発援助(ODA)がプロジェクト資金を提供。事前調査から施工管理、軌道工事、車両製造、システム構築、そして運転士の育成まで、都市鉄道に必要なほぼ全ての仕事を日本企業や団体が担った。世界にほとんど例のないオールジャパンの都市鉄道だ。その乗り心地や駅の使い勝手はどうか、実際に乗ってみた。

ジャカルタ中心部にある路線の北端ブンデランHI駅から南へ12駅先の終点、ルバック・ブルス・グラブ駅に向かう。

 地上駅から地下に向かうエスカレーターに乗り改札に向かうと、そこは多くの人でごったがえしていた。券売機が故障で使えず、乗客は1つしかない窓口で切符を買い求めなければならない。売り場の前には長い列ができていた。

ICカードの自動改札には慣れが必要か

 切符は非接触型のICカードだから、窓口の販売員は乗客から降車駅を聞き、1枚ずつそのデータをカードに読み込ませなければならない。時間がかかるため、列は遅々として進まない。結局、切符を購入するまでに40分近くを要した。

 切符売り場を仕切るガラスには「シングルトリップ」という文字が書かれた張り紙がいくつも張られていた。「インドネシア初の地下鉄ということで、開業から間もなくは物珍しさから何度も往復する乗客が相次いだ」。ODAを実施した国際協力機構(JICA)でMRT開発を担当している安達裕章氏はこう説明する。切符は片道専用のため、目的の駅以外で降りることはできない。ただ当初はそれが認知されなかったため、往復した客が乗車時と同じ駅で降りようとして改札を抜けられず混乱が起きてしまった。これを防ぐため「シングルトリップ(片道)」であることを強調しているわけだ。複数回乗降車できるカードについては現在準備中で当局の認証を待つ段階にある。

 乗車カードはJR東日本のSuicaなどと同様、ソニーの非接触型ICチップ「FeliCa(フェリカ)」を採用した。他にも別規格のICチップを搭載したインドネシアの銀行のキャッシュカードを乗車カードとして利用できる。ただ「インドネシアの銀行系カードは読み込みが若干遅い」(安達氏)ため何度も改札機のセンサーにカードを読み込ませようとしてエラーが発生することも多かった。改札を抜けた乗客がその後ろに並ぶ家族にカードを回して通り抜けさせようとするハプニングも多く発生。こうしたことから、開業当初は改札前に長蛇の列ができた。足元ではカードの利用法について認知され始めたが、それでも改札前でとまどう乗客はまだ多い。ジャカルタの人々が自動改札に慣れるにはもう少し時間がかかるかもしれない。

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最終更新:5/12(日) 5:00
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