ここから本文です

“健康寿命”までにもらえる年金、60歳からと70歳からで1000万円の差

5/13(月) 16:00配信

マネーポストWEB

 年金を何歳からもらうか。節目となるのが「60歳」「65歳」「70歳」の選択だ。現在の年金制度は65歳支給の年金額を基準に、60歳から繰り上げ受給すれば生涯30%減額、逆に70歳まで我慢して繰り下げ受給すると生涯42%割り増しの年金をもらえる。

 厚生年金の標準モデル(夫の年額約188万円)で計算すると、60歳受給なら約132万円、70歳受給を選ぶと約266万円と計算上は2倍だ。

 そのため、日本年金機構は新規の年金受給者に送るリーフレットで、〈受給を遅らせるほど、受け取れる年金額は増えていきます〉と繰り下げを推奨しているが、鵜呑みにしてはいけない。

 年金の受給開始時期を割り増し金額だけで決めてしまうと、出費が多い60代の10年間に「年金空白」で苦しむことになるからだ。

 日本人の健康寿命は男性72歳。元気で趣味の活動や友人との付き合いが多い60代が最もお金がかかり、70代以降は生活費は大きく減っていく。そこで年金の受給開始は、60代、70代、80代に年金以外にいくらの収入があり、どれだけ生活費がかかるかをもとに判断するのが賢い選び方になる。

「元気なうちに繰り上げ受給し、人生を豊かにするために年金を使うのはひとつの卓見」なのである。

 健康寿命の72歳までの年金総額を比べると、60歳受給の約1577万円(12年分)に対して70歳受給を選んだ場合は約532万円(2年分)で約1000万円の差がある(図参照)。

 年金総額は男性の平均寿命(81歳)でほぼ“トントン”になり、それ以降は70歳受給が逆転するが、元気な60代で年金を我慢し、体の自由がきかなくなる80代から多くの年金をもらうことが賢い選択と言えるだろうか。

 今年から始まる「令和の年金改革」では、支給開始年齢を65歳から70歳、さらに75歳へと引き上げていく方向性が打ち出される可能性が強い。そうなれば年金空白期間がさらに長くなるだけに、生活防衛のためには「繰り上げ受給」が一層意味を持ってくる。

※週刊ポスト2019年5月17・24日号

最終更新:5/13(月) 16:00
マネーポストWEB

記事提供社からのご案内(外部サイト)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事