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「米中対立」めぐる米高官の人種偏見発言

5/14(火) 12:13配信

Wedge

アメリカは日本を非白人大国とみなし、太平洋戦争を経験

 ワシントン・ポスト紙も4日付のコラムで「スキナー局長は『史上初の非白人国との対決』を予言したが、誤謬に満ちている。かつてアメリカは日本を非白人大国とみなし、太平洋戦争で大規模な戦争を経験した。

 それ以前から、日本は“大国クラブ”の一員としての平等な待遇を要求してきたにもかかわらず、アメリカでは“黄禍説”が吹き荒れ、対日移民制限措置が取られたことなどが重なった結果、最後は日米両国の衝突となった歴史がある。

 もし今日、中国に対しても、非白人であることを理由に対立を助長することになるとすれば、中国のタカ派を刺激し、より対立的な外交関係に追いやることになりかねない」と警告した。

 海外でもスキナー発言は大きな反響を呼び起こしている。

 オーストラリアのABCネット・ニュースは5月4日、同国政府外務省高官(複数)があいついで匿名でスキナー女史を批判する以下のようなコメントを報じた。

 「彼女の発言はきわめて有害であり、われわれは支持しない。わが国もアメリカも多人種国家であり、非白人国家との対決を助長するような考えは分裂をあおり、きわめて危険極まりない」

 「北京政府は西側諸国に居住する中国系2世、3世に対し、同じ人種的背景であることを理由に、本国への忠誠を求めてきた。わが国は他の西側諸国同様、こうした中国側の要求に断固反対している。しかし今、非白人との対決を唱えることは、まさに中国共産党の術中にはまることを意味し、われわれはこの種の言辞はいかなる状況下でも断じて使うべきではない」

 当然のことながら、一段と激しい反応を見せたのが 中国だった。

 中国共産党機関紙の国際版として知られる「Global Times」は5月5日付けで「前途なきアメリカの文明衝突論」の見出しでこう反論した。

 「スキナー政策立案局長は、ワシントンが現在、『異質文明との戦い』という概念に依拠した対中国戦略を立案中と述べたが、ポンペオ長官率いる米国務省は中国および中国文明に対する敵意を扇動するものだ。中国は永年にわたり戦争に加担せず、軍事的膨張に反対してきたばかりか、いかなる文明を妨害したこともなかった……アメリカの主たる目的は、傍観者的立場にある西側諸国をけしかけ、中国封じ込めの試みに加担させることにある。

 だが、今日、ワシントンの狂信的政治エリートを除いて世界で、文明間の戦いを歓迎する人はほとんどいない。中国人民は自己中心的ではなく、中国の社会的価値システムをもって世界を威圧しようという野望も持っていない。中国封じ込めの目的のために各国、各地域を米国の陣営に引き入れるのではなく、両国間で均衡を保つことこそ、世界中の最善の利益となるであろう」

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最終更新:5/14(火) 12:13
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