ここから本文です

あなたは大丈夫?イマドキの新入社員にやってはいけない上司の言動

5/14(火) 18:31配信

@DIME

新入社員や新人が自分の部署にやってきてしばらくたつ頃。上司の対応によっては、新人の成果が出なかったり、すぐにやめてしまったりする恐れもある。そこで、新人に対してやってはいけない行動と好ましい対応方法を、人材育成研修や組織開発を行っている人材育成コンサルタントの太田章代さんに聞いた。

新人にこれやっちゃダメ!上司の7つの行動と対策


売り手市場といわれる中、最近では「面接で『私達をどう人材育成していきますか?』と面接官に聞く学生も登場しています」と太田さん。

また、仕事が選べる時代であることから、「大卒の新入社員の場合3年で3割辞めるといわれています。苦労してお金もかけて採用した人材が長く勤めていただけるように、接し方を考えたいものです」と太田さんは話す。

上司の立場としては、新人への対応は慎重に行く必要がありそうだ。

そこで、新人に対してやってはいけない、もしくは言ってはいけない行動と、代わりとなる好ましい行動を7つ挙げてもらった。

1.目的を伝えずに作業だけ指示する
「新人のやる気をなくす原因の一つが、全体像が分からず、作業だけこなすということです。ある新人営業が『新規アポイントを100件するように』と言われたが、精神的に辛くて続けられなかった。でも新規アポイントをする目的や、それをすることでどんな良いことがあるのかが分かれば、頑張れると言っていました。

また作業の目的が分からず、上司に聞いたら『とにかくやればいいんだよ』と教えてくれなかったという声もあります。新人は何のために、この仕事をするのか目的を知りたいと思っています。手抜きした指示出しに注意です」

●好ましい行動
「人は目的を考えて行動すれば、仕事に創意工夫が生まれます。新人に考える習慣をつけてもらうためにも、指示を出すときには必ず目的を伝えるようにしてください」

2.まずい新人の行動や発言を叱らない


「最近は部下を叱れない上司が増えています。『パワハラ・セクハラと言われるのが怖くて』『メンタルが弱い新人が多いので、叱ってモチベーションが下がっても嫌だから』『叱って辞められたら困る』とよく聞きます。叱るだけでは、もちろんダメですが、叱らないのは組織だけでなく、新人本人の成長にも大きな損失を与えます。叱るは新人のためです。そしてはじめが肝心です。新人の髪の毛が茶色過ぎると感じているのに、人間関係ができて言いやすくなった半年後に叱っても『今さら何で?』となってしまいます。叱らないのは新人に無関心と思われても仕方のないことなのです」

●好ましい行動
「叱ることに抵抗がある方は『注意する』『まずい事実を伝える』と考え方を変えてはいかがでしょうか。叱るときは、なるべく周りに人がいない場所で、なぜいけないのか、の理由から冷静に伝えてあげてください。まだ叱られることに慣れていない新人には『〇〇さんのために、言わせてもらうよ』と前置きをすると良いです。私のために言ってくれたのだと理解して受け止めてくれます」

3.「責任を取るから、とにかくやってみろ」と言う
「上司・先輩からしたら、なかなか行動しない新人に対し、『そんなに考えていないで、とにかく経験することが大事だ』『やってみないと成長しない』とイラつきを覚えるかもしれません。しかし近年の新人の傾向として、失敗したくない慎重派が多いのも事実です。また新人は『責任なんかとって欲しくない』と感じ、仕事を押しつけられた感もあるでしょう。まだ入社間もない新人には、上司の指示に対して拒否をするということはむずかしいのです。『やってみろ』と言われて無理やりやったは良いものの、失敗して自信を失くしては本末転倒です。失敗に対してフォローしてくれても、失敗した事実には変わりありません。上司に対してわだかまりが残る可能性もあります」

●好ましい行動
「まず新人が上司の言うことを拒否できないということを理解することが必要です。また、行動しないのは理由があります。それをしっかり聴いて不安を一緒に解決してあげてください。今ドキの新人は素直な方が多いです。きちんと納得した上で行動すれば、必ず良い成果が生まれます」

4.会社や社員の悪口を吹き込む


「『昼休憩中にずっと、周りの人の悪口を聞かされて本当に辛いです』と新人に相談されたことがあります。上司・先輩は、新人を悪口のはけ口にしてはいけません。また『これは会社の規則で決まっているんだ。私は時代遅れだと思うんだけどね。』などは、一見自分の意見を言っているようで、会社の悪口になっています。『部長は会議が好きだからな。』も部長の悪口に聞こえます。ちょっとしたぼやきが、新人にとってはマイナスなイメージにしかなりません。おかしな会社、おかしな上司がいるという印象がついてしまうと、不信感になりモチベーションも下がります。職場の雰囲気は入社してからしかわかりません。悪口が横行している職場に、新人は将来が不安になります」

●好ましい行動
「新人にとって、上司・先輩は影響力があるので、発言や行動には十分注意が必要です。おかしいなと思うことがあれば、新人に言うのではなく、改善するための提言としてしかるべき人に伝えたり、会議で議論をしたりしましょう」



5.プライベートを詮索して距離を縮めようとする
「ケースバイケースではありますが、『休日は何をしているの?』と男性上司が女性社員に尋ねるのも、セクハラグレーゾーンに入るそうです。新人との距離を縮めたい気持ちは分かりますが、仕事とプライベートをしっかり分けたい新人が多い現代では、プライベートなことを聞くタイミングや内容に考慮しなければなりません。それは男性対男性でも同様です。新人は『その質問には答えたくありません。』と言いたくても、上司ですので断れずに笑ってごまかすこともあります。上司には新人のプライベートを干渉する権利はありません。プライベートの話をしないと、何か他人みたいで距離が遠く感じるのは、実は上司だけかもしれません」

●好ましい行動
「新人といっても色々なタイプがいます。プライベートを話したい新人もいるので、こちらから詮索するのではなく、上司から自分のプライベートの話をして、自発的に話してくるのを待つのがベストです。ただ、仕事に関連することでプライベートを聞かなければいけない場合は、理由を伝えてから聞いてください」

6.新人の意見や行動を否定する


「新人は経験がない分、浅い考えや、社会人として甘い意見もあると思います。しかし『その考えでは上手くいかない』『それは連絡しても無駄だ』などと否定ばかりしていては、新人は意見も言わなくなり、自主的に行動もしなくなります。

また『今ドキの新人は』という言葉も否定が入っています。『こうあるべきだ』と固定観念が強いと、新人に自分の考えを押し付けて型にはめようとします。誰でも、自分のことを否定されるのは嫌なものです。毎回、否定から入ると、新人との人間関係の質も悪くなります。新人が自分なりに考えて言ってきた意見に対して『失敗したらどう責任とるの?』と返すのもNGです。ほめられ、肯定されて育ってきた新人は、否定することで委縮してしまうケースがあります。また新人の能力まで潰す可能性があります」

●好ましい行動
「コミュニケーションを円滑にするために、新人の“意見を聴く・受け入れる・理解する”ことは大切です。新人だからこその意見は、上司にとって勉強になることもたくさんあります。上司が新人の意見を尊重すれば、新人にとっても会社の中での存在価値が生まれ、仕事へのやりがいにつながります。そうなれば、仕事の成果も出やすくなり、上司の期待にも応えてくれるようになるでしょう」

7.残業する新人を評価する
「働き方改革が進む中で、まだ『いつも遅くまで頑張っているな』と、“残業していること=エライ”になっている上司がいます。そんな社風の会社は優秀な人材を失っています。“残業している”という表面だけとらえて、それを“頑張っている”と評価するのは非常に危険です。学生から社会人になったばかりの、まだプライベートが大切な新人にとって、上司が休日出勤をしたり、毎日遅くまで残業したりしている姿を見ると、自分もそうなるのかと恐怖しか感じません。会社や上司の当たり前が、新人にとっては疑問に感じることが多々あるのです」

●好ましい行動
「残業している新人がいたら、仕事が多いのか、効率が悪いのかを観察して気にかけてあげてください。『仕事のやり方を工夫してみよう』と言うだけでは、新人は工夫の仕方が分からないため、一緒に考えてアドバイスをしてください。体が慣れるまでは定時に帰すようにするなどの組織全体で対策が必要です。長く勤めることのできる環境を作るのも上司の役目です」

「今ドキの新人は」と言わず、心をフラットにして接する


太田さんは、新人への対応のポイントを次のように話す。

「新人によって、早く成長する人・ゆっくり成長する人、自主性のある人・ない人、向上心のある人・ない人など様々です。『今ドキの新人は』と固定観念を持たずに、心をフラットにして接してください。

そして上司と部下である前に、人間同士ですから、『大切な弟・妹』だと思って親身に新人育成をしてください。会社の未来の中枢を担う新人育成は、上司の重要なお仕事です。人材育成で成果を上げるには、新人との関係の質を高めることが最も重要です」

新人対応に少し戸惑っているなら、ぜひ接し方のヒントにしたい。

【取材協力】
アイキャリア株式会社 代表取締役 太田章代さん
人材育成研修・女性活躍推進研修など、企業や団体で1,400回以上の研修に登壇。【働くを楽しむ】社会つくりに貢献します。著書「引寄せ営業の法則」他
https://i-career.co.jp/

取材・文/石原亜香利

@DIME

最終更新:5/14(火) 18:31
@DIME

記事提供社からのご案内(外部サイト)

@DIME

小学館

2019年8月号
6月14日発売

定価800円

2019上半期ヒット商品大研究
夏を制するのは「爽やか」な男前
MEGA CITY SHIBUYAの全貌

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事