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脱・デフレ政策がもたらす「国民の資産減少」という異常事態

5/14(火) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

インフレ・長期的な円安・人口減社会の進行

このインフレの問題を始め、現在の日本には資産を直接的に脅かすいくつかの状況が確実に訪れつつあります。

それらを具体的に言えば、まず、インフレ。次に長期的な円安時代の到来。そして最後が人口減社会の進行。この三大条件です。では実際、どのような形でそれらが日本人の資産運用への脅威となっているのかは、本連載の後半で説明していくことにします。ただし、その前にそれぞれのポイントについてごく簡単にまとめます。

インフレの恐ろしさについてはすでに触れたとおりです。しかも、総合的に見て現在の日本は物価上昇への誘導、もしくはそれを容認する政策をとっています。ちなみに、日本が巨大な財政赤字を抱えているのは誰もが知る事実で、その総額は1000兆円を超え、国民一人ひとりに割り当てるとすれば900万円近くになるほどです。ところが、物価が上昇すればするだけ、この財政赤字の政府負担は縮小することになります。国の財政破綻リスクについてのみ言えば、インフレは決して悪いものではないのです。

そして、為替の問題が加わります。円安や円高は景気に大きく影響しますが、大枠で見ていけば、私たちはずっと円高が当然の時代に生きてきたと言えます。それが大きく変わる条件が生まれつつあるのが今日であると言えます。考えてみれば、日本が世界へと扉を開いた明治維新以降、約150年間で円高傾向が続いたのはせいぜいここ40年程度のことでしかありませんでした。

第3点目の問題は、日本が人口減社会へ入ってしまっていることです。単純に考えても分かるように、人口が減るのですから需要が減少し、低金利が当たり前のこととなれば魅力のある投資先も少なくなっていきます。例えば、長い間、日本人にとって代表的な資産として考えられてきた不動産でさえ、需要減少に伴って長期的な価格下落にさらされるようになってきているのです。


萩野琢英

ピクテ投信投資顧問株式会社 代表取締役社長

萩野 琢英

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最終更新:6/18(火) 10:42
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