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「私、淋しい…」一瞬で男をその気にさせる、“捨て犬系女”の秘策とは

5/14(火) 5:20配信

東京カレンダー

「そのあとは予想どおり。敦史は俄然、積極的になりました。美紗子ちゃんを振るなんて元カレはバカな奴だ、とか、俺だったら絶対に美紗子ちゃんを選ぶ、とか言ったりして」

「うふふ」と笑う美紗子。しかしそれが単なる下心であることくらい、既に32歳となった彼女にわからないわけがないと思うが…。

「わかってますよ、もちろん。でもそれでも嬉しいじゃないですか。私に一生懸命になってくれて」

下心であろうが構わないと言う美紗子。結局この夜、彼女は敦史に誘われるがまま一夜をともにした。

「一晩限りで終わることも覚悟の上でした。でもそうはならなかった。金曜の夜だったから次の日も夕方まで一緒にいたし、その後もこまめに連絡をくれました」

大多数の予想に反し、敦史との関係は進展した。

そして男女の関係となり1ヶ月が経つ頃、美紗子は二人の関係についてしっかり確認もしたと言う。

「私たち付き合ってるってことでいいんだよね?って聞きました。敦史も、そのつもりだけどって言ってくれた」

美紗子は彼の言葉に安心し、敦史との関係を深めていったのだった。

「始まりはどうであれ私たちは真剣に付き合っていました。多いときは週に3日は彼が家に来ていたし、敦史の気持ちが向いているっていう安心感もあったんです」

外資系戦略コンサルティングファームに勤める敦史の帰宅は毎晩遅い。休日出勤も頻繁なので、必然的におうちデートが多かった。

二人が会うのはたいてい、美紗子が暮らす祐天寺のマンション。ちなみに敦史は麻布十番に住んでいるそうだが定かではない。

というのも、美紗子は彼の家に行ったことがなかった。

「美紗子の家の方が居心地いいって彼が言うので。一度くらいは敦史の家も行ってみたい気もするけど…彼にその気がないみたいだから仕方ない。まあ、確かに自分の家の方が敦史に色々してあげられます。夜遅いときは夜食に鯛茶漬け作ってあげたりね」

尽くすタイプの美紗子は、敦史がどこかで飲んだあと急に深夜に尋ねてきても文句一つ言わない。むしろここぞとばかりに甲斐甲斐しく世話を焼くなどした。

「それなのに」と、美紗子は再び眉を思い切り顰める。そして言葉にならないと言わんばかりに唇を震わせた。

「最近、彼がまったく家に来なくなったんです…。理由を聞くと仕事が忙しいって言うんだけど、そんなの前からだし絶対に変でしょう?」

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最終更新:5/14(火) 5:20
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