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薬処方大国日本、医師と薬剤師の地位の差も原因になっている

5/15(水) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 医師と薬剤師の地位の差は日本特有のものだ。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんはこう語る。

「欧米諸国では、薬剤師の社会的地位や年収は日本よりも高いうえ、権限も大きい。例えば、最初だけ医師の診断を受ければその後は医師のもとに通わずとも薬剤師から薬をもらえる“リフィル処方箋制度”が挙げられます」

 本来は、医師と薬剤師と製薬会社がバランスを保って、患者に薬が届けられるべきなのだが、日本では薬剤師の権限が弱く、薬を処方するのは医師だけ。だから、製薬会社と医師が密着しやすいのだ。

 ただし、そうした薬業界の構造だけが、日本を「薬大国」にしたわけではない。もちろん患者の意識にも原因がある。薬剤師で栄養学博士の宇多川久美子さんが言う。

「知り合いの医師に『なぜ効かないのに処方するのですか?』と尋ねると、もちろん『こちらも生活がかかっているから』と答える人もいるが、それ以上に『患者さんが欲しがるから』と答える人が多かった。『効かない薬でお金儲けをしよう』ということより、『患者から求められて出さないと文句を言われるから』という声が多いのです」

 室井さんも「日本において薬を出さない病院は患者からそっぽを向かれることもある」と指摘する。

「住んでいる地域ごとに行く病院が定められる“かかりつけ医制度”があるイギリスなどと違い、日本の患者はフリーアクセスで、どこの病院でも自分で決めて受診できます。つまり、病院によって患者数が大きく変動する。

患者が来なくなって倒産する病院も年々増えています。薬を処方しないと、『あの病院は薬も出してくれない。ヤブ医者ではないか』と評判が落ち、患者の足が遠のくのではと恐れます。だから良心的な医師ほど苦悩し、『念のため薬を出しておきましょう』と必要ない薬を出さざるを得ない状況です」

※女性セブン2019年5月23日号

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最終更新:5/15(水) 16:00
NEWS ポストセブン

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