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「マスゴミ」の汚名そそぐ日

5/15(水) 8:47配信

Japan In-depth

話はそれるが、今回、保育園側がすぐ記者会見を開いたのには少し驚いた。

通常、園は被害者の立場であり、あれほど精神的ショックの大きい園長が会見に出てきたことに少し違和感を感じた。事故発生直後ではまだわかっていないことも多く、話せることも限られるからだ。

園を運営している法人は、会見を開けば記者からあのような質問が出ることは十分想定できだろうし、園長があのような状態になることもわかっていたはずだ。マスコミが園に会見を開くよう強く要請したかどうかは知らないが、園側が会見を開くことを決定しなければ行われなかったわけで、その動機に筆者は興味がある。

話を戻して、炎上している「マスゴミ」批判に対してだが、マスコミはきちんと批判に対し自らの立場を説明すべきだと私は思う。マスコミは、ネット上で批判されていても気づいていないことが多い。そもそもネット上の情報をチェックする専任スタッフもほとんどいない。

そんな馬鹿なと思う向きもあろうが、それが実態だ。ネット上のパトロールに人を割こうという発想がないと思われる。それが対応の遅れにつながり、批判が批判を呼んでいるのが実情だ。マスコミがマスゴミと呼ばれるようになって久しいが、それを甘受していていいわけがない。普通の企業ではありえないことだ。自分達に記者としての矜持があるのなら、それを堂々と表明すればよい。自分達の取材手法に対する批判に真摯に向き合い、愚直に説明責任を果たすことが求められているのだ。自分たちは正しいのだから読者や視聴者に説明する必要はない、などと思っているのだとしたら、それは単なるおごりでしかない。

こうした中、読売新聞が読者の批判に正面から向き合った。4月19日、12人が死傷した東京・池袋の自動車暴走事故における加害者の表記の問題だ。通常事故を起こしたら加害者の表記は「容疑者」になるはずなのに、今回は「旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長」と表記された。それに対する批判だった。元官僚という『上級国民』だから特別扱いなのか、という言説がネット上に飛び交った。

これに対し読売新聞は、「容疑者でなく元院長、加害者の呼び方決めた理由」と題した記事(5月10日)を掲載した。その中で、加害者が事故後入院しており、逮捕や書類送検はされていなかったことから、「容疑者」の法的立場にはなかった為、「容疑者」との標記を使わなかったと説明した。また、「飯塚さん」や「飯塚氏」などの敬称をつけるのも事故の重大さを鑑みると違和感があることから、過去政府の要職にあった事実を踏まえ、「元院長」との呼称に落ち着いた、との経緯も記した。

納得するかしないかはともかく、新聞が読者の批判に対し丁寧に説明を掲載するのは極めて珍しい。今後こうした流れが普通になることを願う。そして、テレビも同様に批判に対する丁寧な説明が求められるのは言うまでもない。

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最終更新:5/15(水) 8:47
Japan In-depth

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