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「マスゴミ」の汚名そそぐ日

5/15(水) 8:47配信

Japan In-depth

昨今、テレビの報道姿勢に厳しい目が注がれいる。

社会の倫理観から乖離していると感じるケースが多いのだ。

読売テレビが5月10日に放送した報道番組、『かんさい情報ネット ten.』のコーナー「迷ってナンボ!」で、大阪市内の飲食店に「男性か女性か分からない常連客がいる」という情報を受け、お笑いタレントが当該客を直撃、性別を尋ねたり、保険証を確認したり、体を触ったりするなど、しつこく確認を求めたVTRが流れた。その後、スタジオ生出演中のコメンテーターが「許しがたい人権感覚の欠如」と指摘し激怒した。番組を見た人ならわかるが、キャスター陣は凍り付き、しどろもどろになって、まさに放送事故レベルだった。

渦巻く社会の批判に、結局読売テレビは5月13日放送の同番組でキャスターや解説デスク、報道局長らが謝罪し、同コーナーの休止が決まった。筆者の前稿「驕るワイドショー久しからず」でも指摘した通り、報道とワイドショーの垣根が無くなり、報道倫理に基づく番組制作がなされていないことがこうした問題を引き起こしている。読売テレビのこの件は氷山の一角だ。いつ同じような問題が噴出してもおかしくない。

テレビは面白さを優先するのではなく、視聴者の普通の感覚に寄り添った番組作りを心掛けてほしい。「笑い」は社会において大事なスパイスだ。しかし、それは権力を風刺したり、人の愚かさを気づかせるものであってほしい。弱者やマイノリティに対する優しい目線をみな必要としているのだ。

マスコミがマスゴミと呼ばれなくなる日が来ることを切に願う。それが社会にとって利益になると信じて。

安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

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最終更新:5/15(水) 8:47
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