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「AED装着の男女格差」が示した、この社会にひそむ倫理のバグ

5/15(水) 13:00配信

現代ビジネス

AED装着の「男女格差」とは?

 京都大学などの研究グループによれば、2008~2015年に全国の学校構内で心停止になった子ども232人について、救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうかを調べたところ、小学生と中学生では明確な男女差がなかったのに対して、高校生では女子生徒に使われる割合が3割ほど低くなることが明らかとなった。

 小学生と中学生では男女の間で有意な差はなかったものの、高校生では男子生徒の83.2%にパッドが装着されたのに対して、女子生徒は55.6%と、性差が認められる。

 NHKの報道では「近くにいた人たちが素肌を出すことに一定の抵抗があったのではないか」と伝えられているが、男子高校生と女子高校生では調査の母数が異なる(男子:101人中84人装着/女子:18人中10人装着)ため、このデータのみをもって「女子はAEDが装着されづらい」と断じることはできない。

 しかしながら、他の調査データでも、女性は「他人に衣服を脱がせられる」ことに抵抗を感じているし、家族など近しい人以外の衣服を脱がせること、とくに男性が女性の衣服を脱がせることにも強い抵抗感があることが判明している。

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〈アンケート結果によると、医療従事者以外の一般の人が救助にあたる場合、「AEDを使うために異性に衣服を脱がされること」について、女性の合計86%が不快感、もしくは抵抗感を感じるとの回答結果でした(下グラフ)。さらに、プライバシー配慮については「周りの人から見えないようにしてほしい」という要望も寄せられました〉(2018年9月15日、PHILIPSニュースセンター「いつ、誰にでも起こりうる心肺停止の怖さ。あなたができる救助の心構え」より引用)
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 以上のことから、少なくとも女性に対するAED装着には、たとえ緊急のときであっても、その行為をためらわせる心理的な障壁があると推測することは妥当といえるだろう。

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最終更新:5/15(水) 17:30
現代ビジネス

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