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消えない「衆参同日選」説、衆院解散はあるのか

5/15(水) 6:10配信

東洋経済オンライン

 さらに問題となるのは衆院解散の大義名分として、首相側近の萩生田光一自民党幹事長代行が言及した消費税増税の凍結・延期だ。ここにきての景気判断の悪化は米中貿易摩擦の激化も要因とされ、14日の日経平均株価は一時1カ月半ぶりに2万1000円を割り込んだ。これが永田町で「首相が景気悪化を理由に3度目の増税延期を決断して解散の大義名分にする」との観測が出る原因だ。

 しかし、2017年秋の衆院選で安倍首相は、消費税10%への引き上げを2019年10月に予定どおり実施することを前提に、税収の増加分の一部を子育て支援や教育無償化への財源とすることを解散の大義名分に掲げた。もし、増税先送りとなれば「前回衆院選の公約無視に加えて、アベノミクスの失敗を認めたことになる」(財務省幹部)。野党だけでなく国民の批判も免れない。

■「大義名分抜き」の会期末解散も 

 しかも、萩生田氏が解散につながる増税延期判断の指標に挙げた「最新の日銀短観」の数値の発表は7月1日の予定で、「解散するためには6月26日までの国会会期の1週間程度の延長が必要」(自民国対)となる。ただ、「会期延長に踏み切る時点で野党側が内閣不信任決議案を提出すれば、与党は否決せざるをえず、一週間後に改めて解散というのは政治的には難しい」(同)ということにもなる。

 そこで浮上するのが、6月26日の会期末の内閣不信任決議案提出を受けての衆院解散だ。その場合は「令和新時代の日本の未来を拓く」などの理由を付けるとみられるが、実質的には「同日選で野党を壊滅させるための大義名分抜きの解散」となる。そんな同日選となれば野党選挙共闘は一気に進み、「窮鼠猫を噛む結果」(自民長老)となる可能性も少なくない。

 首相にとって解散のタイミングは限られており、永田町では「今後の政治日程からみると、今夏か来年の東京五輪後のどちらか」(自民幹部)とみられている。今年11月から来年春までは皇位継承に伴う重要行事が続き、その後も東京五輪があり、政治空白を回避する必要がある。ただ、今年10月に予定どおり増税すれば、東京五輪後の急激な景気落ち込みが予想されるため、「五輪後の解散では自民党に不利」(閣僚経験者)となるのは避けられない。もちろん、2021年10月の任期満了選挙という選択肢も残るが、首相が自民総裁としての任期中に解散するのなら、客観的にみれば「いちばん条件がいいのは今夏の同日選」(同)となる。

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最終更新:5/15(水) 6:10
東洋経済オンライン

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