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米国の音楽業界で、配信事業者とソングライターが火花──「著作権使用料」を巡る闘いの舞台裏

5/16(木) 12:31配信

WIRED.jp

米国著作権料委員会(CRB)が音楽配信事業者からソングライターや音楽出版社に支払われる著作権使用料を引き上げる決定を下したことを受け、スポティファイ、グーグル、パンドラ、アマゾンが訴訟を検討していることが明らかになった。音楽現代化法の制定に端を発するこの争いは、誰により、いかにして巻き起こっているのだろうか。米国の音楽メディア「Pitchfork」による解説。

ソングライターと音楽出版社の反応

ソングライター側の主張によって事実と異なる見出しの記事が出たり、音楽配信事業者側がフェイクニュースを出したと非難を浴びたり──。

この一連の騒ぎの原因は、ほぼ無名の委員会によって下された、119ページにも及ぶ脚注だらけの裁決にある。これにより、ソングライター、音楽出版社と大手音楽配信事業者の間で、ルール無用の闘いが幕を開けたのだった。

騒動が白熱し始めたのは、2018年1月のことだ。米国著作権料委員会(CRB)が、SpotifyやApple Musicなどの音楽配信サーヴィスからソングライターや音楽出版社に支払われる著作権使用料を引き上げる決定を下したときのことだった。そして3月上旬には、スポティファイ、グーグル、パンドラ、アマゾンが、この決定に対して訴訟を検討していることが明らかになった。

これを受けて全米音楽出版社協会(NMPA)は、「スポティファイとアマゾンが“ソングライターを告訴”することにした」と主張し、騒動を過熱させた。この扇動的な表現の影響を受けてか、音楽配信事業者への反感は、たちまちソングライターや業界人の間に広がっていった(もっとも、NMPAの広報担当者がPitchforkに語った言葉を借りるなら、これは「配信事業者が上訴にあたって行なっている法的手続きを簡潔に表した表現」だそうだ)。

批判を受けたスポティファイは3月11日、公式サイトに文章を掲載し、込み入った事情があると説明している。

その一方で音楽出版社は、状況はいたってシンプルであるとの姿勢を崩すことはない。CRBがソングライターへの報酬を増額し、スポティファイがそれに反対している、ただそれだけだと言うのだ。

とはいえ、裁決文それ自体は「[編集済み]と音楽出版社との間に直接交わされている使用許諾契約では、著作権使用料を定めるにあたってTCC[編注:Total Content Costの略]のみを参照し、かつその割合に何の制限も加えられていない例が数件ある」といった含みのある文章になっており、理解するのはかなり難しい。

そこで、巨大テック企業とソングライターや音楽出版社との間でどのような闘いが繰り広げられているのか、法律用語を交えずに解説してみよう。

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最終更新:5/16(木) 12:31
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