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米国の音楽業界で、配信事業者とソングライターが火花──「著作権使用料」を巡る闘いの舞台裏

5/16(木) 12:31配信

WIRED.jp

1.なぜこのような裁決が下されたのか

CRBとは、米国議会図書館から指名を受けた3人の連邦裁判所判事からなる委員会のことだ。3人の判事は定期的に会合を行い、メカニカルロイヤリティー(楽曲が売れたりストリーミング再生されたりした場合にアーティストや音楽出版社に支払われる著作権料)のレートを決定するよう、米国法によって定められている。

2017年の法的手続きにおいて、CRBは国際ナッシュビル作詞作曲家協会(NSAI)とNMPAが、アップル、スポティファイ、アマゾン、パンドラ、グーグルに対して集団訴訟を起こしたことを知った。判事1名は反対したものの、最終的にCRBは以後5年間にわたって著作権料のレートを10.5パーセントから15.1パーセントまで引き上げることを決定した。伝えられるところによれば、これは2000年半ばに委員会が創設されて以来、最大の引き上げになるという。

「このマーケットにおいて、委員会では目の前にある情報を基にふたつのことを試みてきた。ひとつはアーティストと音楽出版社が正当な報酬を得られるような著作権料のレートと規則を定めること。もうひとつは被許諾者が継続的に発展できるだけの適正な利益を得られるようにすることである」と、スーザン・バーネット判事とジェシー・フィーダー判事は書いている。

2.関係者は誰なのか

スポティファイ、グーグル、パンドラ、アマゾンが4社とも訴訟を検討中である。アマゾン以外の3社は、CRBの決定は「深刻で法的手続きを要する、本質的な問題を引き起こすものだ」という合同声明を発表している。もし今回の決定がそのまま通るようであれば、配信事業者とソングライターの双方が不利益を被ることになる、というのが3社の主張だ。

3.アップルの立ち位置

アップルに訴訟の動きはない。このことから、アーティスト側に立っているとしてNMPAや業界人からはすぐさま賛辞が贈られた。そうは言っても、くだんの訴訟が成功に終われば、怒りを買わないまま、アップルも低レートのうまみを味わう可能性もある。巨大なスマートフォン事業や巨額の資金を抱えていることも、スポティファイよりもハイコストな事業に耐性があるといえる一因だろう。

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最終更新:5/16(木) 12:31
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