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ブラジルと日本のシュートを比較。クルゼイロECの指導者に聞く「シュート上達法」

5/16(木) 15:12配信

ベースボール・マガジン社WEB

ブラジルの名門、クルゼイロECの育成方法を日本で紹介し、実践するために、2013年に発足した『クルゼイロ・ジャポン』。毎年のように、全国各地で小学生向けにクルゼイロ公認の『クルゼイロ・キャンプ』(https://www.cruzeiro.jp/)を実施し、多くの子供たちが参加した。同キャンプで指導を担当したことのあるクルゼイロの現役指導者、アドリアーノ・コーチに、「シュート」をテーマにして、日本とブラジル、そしてクルゼイロのシュートの違いについて話を聞いた。

【この記事の写真】クルゼイロのシュート上達法

(出典:『サッカークリニック』2019年2月号)

取材・構成/石田英恒 写真/gettyimages、BBM 協力/スリーライン

シュート練習は質、量ともに充実させる

──クルゼイロではシュートのトレーニングにどの程度、重点が置かれているのでしょうか?
アドリアーノ(以下、A) サッカーはゴールを奪わないと試合に勝てないスポーツです。そのためシュートは、「1番」と言っていいくらいに重視している項目です。その中でクルゼイロでは、単純なシュート練習ではなく、試合で起こり得るシュート・シーンを想定したシュート練習を行ないます。しかも、シュート・シーンは可能な限り網羅するようにしています。選手たちがあらゆるシーンに対応できるように、豊富なバリエーションを設定するようにしています。

──豊富なバリエーションを求めると、練習時間全体におけるシュート練習の割合は高くなると思います。
A シュート練習に関してはかなりの時間を割いています。通常練習でもそうですが、通常練習時間外にも取り組ませています。クルゼイロには、Uー14以上を対象にした『GDA』と呼んでいる練習外トレーニングがあります。GDAとは「グループ・ダイヤモンド・アズー」のことで、クルゼイロのエンブレムである「青地(アズー)に星(ダイヤモンド)」を指したものです。居残り練習に近いものかもしれませんが、例えば、シュートに問題を抱える選手がいたら、通常練習時間外に何人か集めて、シュートを徹底的にトレーニングします。

──日本人選手のシュート・レベルについてどう感じていますか?
A 私が日本人のプレーに関して知っているのは、日本で4年行なってきたキャンプに参加してくれた子供たちと、ワールドカップで見た日本代表選手のパフォーマンスだけです。日本サッカーのシュート事情についてすべてを知っているわけではありません。

 その上で私の考えを言わせてもらうと、現状ではブラジル人選手、あるいはクルゼイロの選手たちのシュート・レベルのほうが日本人選手よりも上だと感じています。日本との差がどこからきているのか考えると、先ほど話した点に行き着きます。つまり、クルゼイロのシュート練習はとても多く、しかもさまざまなバリエーションでのシュート練習を行なっていることが理由だと思います。練習環境の違いによって生まれた差があると思うのです。また、ブラジルは試合数が多いです。小さいときから多くの大会に出場し、実戦の中で競争心を持ってサッカーに取り組めていることも、クルゼイロのシュート力が高い要因の一つと言えるでしょう。

──シュート練習のバリエーションについて教えてください。
A どの練習であっても、試合に向けて行なわなければいけません。どれくらいのシーンでシュートを打ってきたかによって、試合でのパフォーマンスに大きな差が出ると思っています。

 例えば、センターバックをかわしてエリア外からシュートを打たせたり、キーパーと「1対1」をさせたときに、必ずキーパーを抜いてからシュートを打たせたりするなどの制限をかけたメニューも行ないます。

──やはり、試合でできなかったことにあらためて練習で取り組むのでしょうか?
A 確かに、試合に出てくるシーンすべてを前もって経験させることはできないでしょう。可能な限りの準備をしてきたとしても、想定外のことが必ず起こります。そういうときは、試合映像を見て検証し、補っていきます。「シュート前の動きが良くなかった」、「シュート自体に問題があった」などを分析し、練習でその局面を再現し、トレーニングしていくのです。

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最終更新:5/16(木) 15:12
ベースボール・マガジン社WEB

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