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法定相続情報証明制度とは?司法書士が教えるメリットと活用法

5/16(木) 13:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

相続手続きが始まると、亡くなった方が口座を持つ金融機関などから、戸籍謄本類を用意するよういわれます。被相続人の出生から死亡までの戸籍類や、相続人全員の現在戸籍・住民票を収集するだけでも手間ですが、提出先が複数となると、かなり大変な作業です。そこで、平成29年5月29日から始まった「法定相続証明制度」の活用法を司法書士・木宮瑛子が解説します。

法定相続情報証明制度とは?

相続手続きが始まると相続手続きを取り扱う各種窓口に、被相続人の戸籍謄本等の束を、何度も出し直す必要があります。そのような手間をなくすために作られたのか、「法定相続情報証明制度」です。

法務局に戸除籍謄本等の束を提出し、あわせて相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を出せば、登記官がその一覧図に認証文を付けた写しを無料で交付。その後の相続手続きの際は、「法定相続情報一覧図の写し」を利用すれば、戸除籍謄本等の束を出し直す必要がなくなります。

なお、法定相続情報証明制度で証明するのは「法定相続」なので、相続放棄の事実や遺産分割の結果は証明できません。また、被相続人や相続人が日本国籍を有しない等の事情で、戸籍を提出できない場合には証明できないことに注意しましょう。

■法定相続情報証明制度の利用メリット

(1)利用メリット

法定相続情報証明制度では、相続人であることを証明するための被相続人の出生から死亡までの戸籍類と相続人全員の現在戸籍を集めて、一度だけ、法務局に法定相続情報を申し出ると、それから5年間は証明書を何通でも無料で発行できます。ちなみに、現在、各戸籍類の取得の手数料は以下のとおりとなっています。

戸籍謄本:450円/通

改製原戸籍謄本:750円/通

除籍謄本:750円/通

住民票の写し:約300円程度/通(市区町村により手数料が異なる)

なお、年金用など、使途によっては手数料が無料になります。

法定相続情報証明制度が開始する前は、戸籍類の取得の費用を節約するために、1つめの金融機関に戸籍類を提出し、手続きが終わると、戸籍類を金融機関でコピーをとってもらい原本を返してもらい次の金融機関へ出す、ということをしていました。この方法では、一つずつしか払戻し手続きを進めることができませんでした。法定相続情報証明制度を利用すれば、一度に手続きを開始でき、時間の短縮にもなります。

(2)どのような人におすすめか?

法定相続情報証明制度は上記のメリットがありますが、相続の状況は様々なので、利用してメリットがある人と、利用してもメリットがあまりない人がいます。

(1)利用した方がよい人

戸籍類の数が多い方

被相続人の出生から死亡までの戸籍類、相続人全員の現在戸籍・住民票が大量で、1セットとるだけでも手数料がかさむ方。

戸籍類の提出先が多い方

被相続人の名義の口座が多くの金融機関にある方

(2)利用しなくてもよい人

戸籍類の数が少ない方

被相続人と相続人が同じ戸籍にいる、被相続人の出生から死亡までの戸籍が現在戸籍と改製原戸籍の2通だけ、などという場合は、法定相続情報の申し出をする手間のほうがかかります。

戸籍類の提出先が少ない方

口座は複数だけれど取引銀行が1行だけ、不動産は複数所有していたけど口座は1行だけだ、という場合は、法定相続情報の申し出をする手間のほうがかかります。

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最終更新:5/16(木) 13:00
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