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「迎合」ではなく「尊重」を。終身雇用崩壊後の日本企業のあるべき姿とは?

5/16(木) 8:30配信

Forbes JAPAN

新卒一括採用の見直しや富士通の45歳以上への早期退職勧告、相次ぐセクハラ問題など、日本の雇用をめぐって、さまざまな問題が噴出している。

課題は数あれど、多くの人が感じているのは、新卒一括採用・終身雇用を中心としたこれまでの組織のあり方には限界がきているということではないだろうか。

では、次なる時代のHR戦略をどのように考えるべきなのか。その一案として、「信頼」を基盤として企業と従業員の関係性を考えるべきだと言うのが、企業の採用管理をシンプルにするクラウド型採用管理システム「Talentio」を開発・運営するタレンティオ代表取締役兼CEOの佐野一機だ。

そんな佐野が、新時代のHRマネジメントを考えるために、識者と対談を行なった。今回意見を交わしたのは、『ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用』を監訳し、日系・外資系の大企業及び中小企業で働いてきた篠田真貴子。

終身雇用でも、外資系のようなスキル重視の短期雇用でもない、日本に合った組織のあり方とは。

HRで重要なのは、応募倍率や採用数ではない

佐野一機(佐野):前回の記事で言いたかったのは、企業と従業員の関係性がアップデートされるべきだということです。これまで日本の多くの企業では、終身雇用を提供するという前提のもとに会社の命令や指示に極力従う「滅私奉公」的な働き方を要求してきました。

ここでの企業と個人は、入社時から退職時まで長く続く「契約」をベースにした関係。ですが、終身雇用の維持が難しくなっている現在において、この関係性をそのまま続けるのは難しいでしょう。

よく日本型の組織構造と比較されるのが、外資系企業やスタートアップに多い「能力」をベースにした短中期的な雇用ですが、これも日本にはあまり向いていないと思っています。これは会社に対する過度な忠誠心は求められませんが、裏を返せば企業への愛着心を醸成できないということ。いつクビにされるかを心配しながらでは質の高い仕事をするのは難しいですし、会社としても手直しや引き継ぎ、採用にかかるコストも高くなります。

このどちらでもなく、これから目指すべきは「信頼」を基盤にした関係性だと考えています(*1)。採用時から「長期的に信頼関係をつくれそうか」を前提に雇用契約を結び、入社後も定期的に企業と従業員が互いの状況を絶えず見直し、アップデートすることで信頼を築き上げる。こうした関係性のうえでHRを考えるべきなのではないでしょうか。

もちろん、これまでのマネジメントが必ずしも信頼をないがしろにしてきたわけではありませんが、近年の働き方改革は「残業の削減」など表面的なマネジメントについての議論ばかりがなされている。

信頼を基盤にした企業と従業員の関係性をつくるには、どうすればいいのか。本日、篠田さんとはこのテーマについて具体例を交えながらお話しできればと思います。

篠田真貴子(篠田):たしかにそうした議論は重要です。加えて各社が考えるべきなのは、どのような姿を目指してどのような人材を集めるのかというビジョンでしょうね。

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最終更新:5/16(木) 8:30
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