ここから本文です

「中高年引きこもり、復帰しやすい環境を」筑波大学斎藤環教授

5/17(金) 11:23配信

Japan In-depth

【まとめ】
・引きこもりの高齢化・長期化が懸念されている。
・多様な働き方を認め、社会復帰可能な社会へ。
・幼少期からのコミュニケーションスキル教育で若者の不登校・引きこもり対策を。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=45772でお読み下さい。】

今年3月末、40歳から64歳の中高年の引きこもりは約61万3000人との調査結果が内閣府から発表された。

今回は筑波大学で医学医療系教授を務める斎藤環氏をゲストに招き、政治ジャーナリストの細川珠生氏が、引きこもりの長期化と高齢化について聞いた。

始めに斎藤教授は引きこもりが高齢化している要因について、「かつての引きこもりは不登校からそのまま長引く人が8割を占めていた」「2000年代からは退職後に引きこもる人や、一旦就労したがストレスで仕事を辞めて引きこもる人が増えた」などと述べ、引きこもりを始める年齢が上がっていると指摘した。更に「80~90年代に中学生だった人が引きこもりを始め、気付いたら現在30~40歳になっていることが多い」とも述べ、引きこもりの長期化が高齢化の要因にもなっているとの見解を示した。

引きこもりは女性より男性に多く見られるという結果については、「こういう統計をとると大体このような結果になるが必ずしも事実ではない」「女性の引きこもりも非常に多いと言われている」と述べ、その背景について「日本社会の中では女性が引きこもっていても問題視されにくく、事例化するかどうかという問題がある」ことを挙げた。「家事手伝いなど、女性の引きこもりを正当化する言葉があり、周りの人があまり問題視しない」「男性に比べればだが、大学を卒業してすぐに就職しなくてはいけないというプレッシャーが女性には少なく、引きこもりも大目に見られやすい」ことが要因となり、女性の引きこもりは数字に出てくいとの見方を示した。これを踏まえた上で、「事例化が少ないことを加味しないと、必ずしもこの数字を鵜呑みにはできない」と強調した。

細川氏は「中高年と若者の引きこもりでは、原因や対策、解決方法に違いはあるか」と聞いた。

斎藤教授は「決定的に違うのは学歴」と述べ、「20歳くらいまでは学校という居場所がある」「不登校も引きこもりに移行する原因の一つなので、不登校対策をしっかりやるのが最初の予防策」などと若者の引きこもりを防ぐ方法について話した。

一方で就労可能年齢を超えた人へのアプローチについては、「就労支援の枠組みを柔軟にしていく」ことが必要だとの見方を示した。現在の就労支援について、「過去に比べて随分柔軟になったものの、未だ荒っぽいところがある」「引きこもりや発達障害を持った人のように、対人関係だけは苦手だけれど、就労可能なスキルは持っているという人が対象からあぶれやすい」などと述べた上で、「対人困難や社会参加困難の度合いによって色々な職種が選べるような復帰しやすい環境が必要」だとした。「引きこもりを一度起こしてもまた復帰できる社会にするのが一番有効な対策だ。」とも述べた。

1/3ページ

最終更新:5/17(金) 11:23
Japan In-depth

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事