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「デキる社員」が、企業を滅ぼす

5/17(金) 0:01配信

PHP Online 衆知(THE21)

「意味のない仕事」をやめられない理由

 中間管理職、とりわけ課長クラスの人たちには、日々たくさんの仕事が降りかかってきます。中には、「すでに意味を失った仕事を、惰性でこなしている」人もいるのではないでしょうか。

 目の前の仕事をさばくのに精一杯で、本当にやるべき仕事に力を注げない。その結果起きているのは、個人の疲弊と日本企業の低迷です。日本企業が世界の時価総額ランキングで上位を独占していたのも今は昔。現在では、アメリカや中国の企業の後こう塵じんを拝しています。みんなクタクタになるまで働いているのに、新たな価値を生み出す余裕がないのです。

 実際は、多くの日本企業が、「今までの働き方に未来はない」ことに気づいています。でも、経営陣も現場も、どう変わればいいのかわからない。だから、すでに通用しないとわかっているビジネスモデルや非効率な仕事の進め方をするのをやめられない。ミドル社員は今日も働き方を変えることなく、疲弊した現場を調整し、大量の仕事をさばき続けます。

 ただし、これはせっかく顕在化した問題を先送りしていることに他なりません。仕事をさばくのが上手な人は、ひと昔前は組織人として優秀だとみなされていましたが、今の時代では一歩間違えればただの思考停止です。「仕事をさばく職人」が増えると、自部門の利益しか考えない部分最適にはまり、全体最適を考える思考力が低下します。こうした人材が上に行くことほどの悲劇はありません。働き方改革が進まないどころか、組織全体の衰退の後押しに拍車をかけていることを理解すべきでしょう。

ミッションを再定義し、現在の仕事を再構築せよ

「目の前の仕事をどうさばくか」を考える前に、「この仕事にはどういう価値があるのか」を自身に問いかける。仕事の前提を疑うことが働き方改革の第一歩です。

 では、やるべき仕事と必要のない仕事はどう判別すべきか。それは、自部門の仕事を再定義することから始まります。ミドルリーダーは、社会や業界の変化、会社方針の変化を踏まえ、「自分たちの部署に求められているミッション=役割は何か」を再定義し、構築し直さなければならないのです。

 ミッションが明確になれば、「絶対にやるべき仕事」「できればやったほうがいい仕事」「やる必要はない仕事」といった具合に、優先順位をつけることができます。基準がはっきりしていると、意思決定も速くなります。「絶対にやるべき仕事」「できればやったほうがいい仕事」「やる必要はない仕事」は、およそ2対6対2の割合で分けることができます。そこで、最優先事項である2割に、8割の時間とエネルギーを投入します。残りの2割の時間とエネルギーで、「できればやったほうがいい6割の仕事」をさばきます。

 これにより、働き方改革の目的の一つである「長時間労働を是正しながら、成果を上げること」に注力できます。

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最終更新:5/17(金) 0:01
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