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電気のない世界。その美しさと、秘められた人類へのメッセージ

5/17(金) 8:11配信

WIRED.jp

フランス人フォトグラファーのジュリアン・モーヴは、SF映画のひとコマのような写真を撮影する。2015年のシリーズ作品『Greetings from Mars』では、モーヴは友人と宇宙服に着飾り、まるで地球外のように見えなくもない米南西部のある場所で観光客風にポーズをきめた写真を撮った。別のシリーズ『The Island of Dragonflies 』は、不可解にも消滅した文明の名残を記録したかのような作品だ。

極寒のフィンランドで寒中水泳を楽しむ人々の、ちょっとシュールな光景

2013年から17年にかけて制作したシリーズ『After Lights Out』で、モーヴは電気のない世界を表現している。この作品は観る人に、ハリケーン「マリア」後のプエルトリコや、スーパーストーム「サンディ」後のマンハッタン南端部を彷彿とさせる。

エネルギーと人間との関係に一石

「ぼくらにとって電気は当たり前のものです。壁のスイッチを切り替えるだけでライトが点灯するので、もはやそれを魔法のように感じることはなくなりました。ただの仕組みにすぎません。だからこそ、ぼくはエネルギー資源とわれわれの関係について疑問を投げかけたかったのです」と、モーヴは言う。

シリーズ作品には、ひっそりとした黄昏の世界を表す写真が収められている。夜明けや夕暮れどきの写真で、ミステリアスな一筋の光を除き、すべてのエネルギーが失われたかのような世界だ。真っ暗で、明かりの灯る窓がひとつだけという家の写真もある。空っぽになったかのような超高層ビルで、あるオフィスのライトがついている写真もある。

大部分は故郷のフランスで撮影されたが、アルゼンチン、韓国、日本など世界各地で写真を撮った。どこで撮影されたのかは重要ではないという感覚を、写真を観る人から引き出そうとしている。

「SF映画が好きで、特にスティーヴン・スピルバーグとティム・バートンの作品が気に入っています。彼らは映画のなかで、かなりはっきりとした世界観をつくり上げているのです。かなりの没入感があります」とモーヴは言う。

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最終更新:5/17(金) 8:11
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