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人生がときめかないごみ屋敷に暮らす人々

5/17(金) 14:53配信

nippon.com

片付けは人生にカタを付けること

中には「急に転勤が決まった」「ガス器具点検が来る」などの理由で片付けを依頼してくる人がいる。しかし、ごみ屋敷から抜け出すには、受動的な事情ではなく、本人が能動的に「なんとかしなければ」と思わなければ、本当の解決にはつながらない。

しかも、業者が「半日外出している間にきれいに片付けておきます」というのではダメ。私たちは、本人参加型が原則。ごみに埋もれた部屋がきれいになっていく過程を見るのは、自分が過ごしてきた時間を逆戻りして見るのと同じ。そうすることで、数カ月後にごみ屋敷生活に逆戻りすることがないようにしたい。

うじがわき、腐臭が漂う中で、時には一日中糞尿にまみれて働くのは、決して楽な仕事ではない。採用しても、3日と持たずに逃げ出していく人も多い。でも、期せずして、自殺しようとまで追い込まれた女子大生が死ぬのを思い止まったり、誰かの人生が変わるきっかけに立ち会えたりする。人間ドラマに関われるのが醍醐味なのだろうと思う。それがなかったら、ただの苦行僧みたいなもの。片付けは、人生にカタを付けること。つくづく、そう思う。

取材・構成 : ニッポンドットコム編集部

【Profile】

佐々木 久史 SASAKI Hisashi
1969年、大阪市出身。ごみ屋敷などの片付け専門の清掃会社・まごのて代表取締役社長。ごみ屋敷を社会問題としてとらえ、依頼者に生活改善のアドバイスをしたり、在宅医療や高齢者問題などの専門家向けに講演もこなす。

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最終更新:5/21(火) 18:30
nippon.com

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