ここから本文です

消費増税は何のため?:国民の不信感招かないための議論を

5/17(金) 15:26配信

nippon.com

安倍晋三首相の側近である萩生田光一・自民党幹事長代行の「消費税率引き上げ延期、衆院解散の可能性」発言が波紋を広げている。筆者は、安倍官邸の対応は「国民の疑心暗鬼を招き、ひいては消費税そのものへの不信感にもつながっていく」と警告する。

半年前でも決まらぬ10%への引き上げ

本年10月1日からの消費増税10%への引上げは、この原稿を書いている5月7日現在、最終的に決まっていない。一方で、増税を織り込んだ2019年度予算は通過し、社会保障を全世代型に広げるという施策はすでに動き始めている。

例えば経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済3団体は、待機児童対策や幼児教育の無償化など政府が19年度から実施する2兆円規模の政策パッケージに関し、安倍晋三首相が要請していた3000億円分の拠出を受け入れた。そこで傘下の企業は、すでに4月1日から追加的な負担を行っているのである。
 
また今回の増税時には、飲食料品などに8%の軽減税率が導入されるので、そのためのレジの改修や価格表示、テイクアウトとイートインの区別の方法などの詳細を税務当局と打ち合わせの上で準備を整えつつある。さらに加えて、キャッシュレス決済に伴うポイント還元についても、様々な議論を積み重ね、対象となる店の範囲など最終決定に向けた準備が整いつつある。

このように10%への準備が着々と進みつつある消費増税だが、肝心の安倍首相・官邸の真意はいまだ見えない。夏に予定されている参議院選挙の際に、衆議院も解散して同時選挙を行うとした場合に、消費税の3度目の延期を大義名分にする可能性があるというのがその理由だ。

しかしこのような官邸の対応は、国民や事業者を愚弄(ぐろう)するものではないか。消費税は消費者全員が負担するし、納税義務を負うのは事業者である。引き上げ予定日の半年を切っても最終決定が行われていないという状況は、何のための消費増税かという国民の疑心暗鬼を招き、ひいては消費税そのものへの不信感にもつながっていく。早急に決断すべきだ。

1/4ページ

最終更新:5/17(金) 15:40
nippon.com

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事