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米ファーウェイ締め出しは、世界の5G戦略見直しを迫る? 米中貿易戦争はAppleの減益を招くか

5/17(金) 18:05配信

リアルサウンド

 日本経済新聞は16日、トランプ米大統領がアメリカ民間企業が安全保障上リスクのある企業から通信機器を調達することを禁じる大統領令に署名したことを報じた。名指しこそしていないが中国通信機器大手のファーウェイを念頭においた政策である。この政策によって、世界各国の通信政策の見直しが迫られる。

■世界各国が5G戦略を練り直し
 今回のファーウェイ締め出し策は、表向きは昨年のファーウェイCFO逮捕に端を発する通信における安全保障政策を推し進めたもの、と見ることができる。しかし、実のところ、世界的に進む次世代通信規格5Gの実装をめぐる覇権争いという側面もある。というのも、ファーウェイは世界各国に5G対応通信機器を供給する企業の候補であったからだ。それゆえ同社がアメリカから締め出されたことによって、世界各国は同国と足並みを揃えるか否かをめぐって5G推進政策の見直しを余儀なくされる。

 国内テック系メディア『ケータイWatch』は16日、新製品発表会を開催したNTTドコモの吉澤和弘代表取締役社長のファーウェイ締め出し策に関するコメントを報じた。同氏は「ファーウェイの装置を使わずとも問題はない」と発言しながらも、影響範囲が現時点では不明であることから「どういう影響があるかわかった時点で適切に対応したい」とも語った。

 また、ロイター通信は16日、アメリカの同盟国であるイギリスのファーウェイ締め出し策に対する反応を伝えた。イギリス政府は同社通信機器の5Gネットワークの中核部分構築への参入を認めずに、限定的な参入承認にとどめる方針だ。ロイター通信のほかの記事では、ドイツのメルケル首相が5G入札時には政府の基準を満たす必要があるという従来の立場を堅持する考えを示したことを報じている。同首相の発言は、ドイツにおいてはファーウェイを排除せず参入機会を与えることを意味している。

■米中貿易戦争でAppleは損をする?
 今回のアメリカにおけるファーウェイ締め出し策は、関税の引き上げを巡る米中貿易戦争の延長線上で実行されたと見ることもできる。というのも、前述したようにこの政策には経済戦争における一手という側面があるからだ。収束する気配のない米中貿易戦争が長期化すると、テック業界にも目に見える影響が出ることが避けられない。影響を受ける企業の筆頭は、iPhone擁するAppleだ。

 Engadget日本版は16日、米中貿易戦争によるAppleの影響を論じた記事を公開した。米中間の関税が現状より引き上げられた場合、中国で組み立て作業を行っているiPhoneの製造コストが上昇すると予想される。製造コスト上昇に対して、対応策はふたつ考えられる。ひとつはiPhoneの値上げ、もうひとつはコスト上昇を同社自身が負担するというものだ。

 以上のふたつの対応策を比較した場合、コスト上昇の負担を選ぶ可能性が高いと見られている。というのも、Apple TV+やApple Arcadeといった新サービスのリリースを予定しているので、同社としては値上げによってiPhoneの販売台数を減らすようなことは避けると考えられるからだ。もっとも、コスト上昇を負担する対応策を選んだ場合、同社の利益は減ることになる。同社の減益は、長期的に見ればApple発のイノベーションが起こりにくくなることにつながるかも知れない。

 いずれにしろ、アメリカのファーウェイ締め出しをはじめとした米中の経済的対立は、5GやiPhoneといった一般消費者に身近なものにも影響を与えるのであり、決して「対岸の火事」ではないのだ。

吉本幸記

最終更新:5/17(金) 18:05
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