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日本の住宅が「夏は蒸し風呂、冬は底冷え」になってしまう理由

5/17(金) 10:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

人の住む空間にアルミ製の窓を使うという「間違い」

住まいの中で最も熱を逃がしやすく、かつ熱を取り込みやすい場所は「窓」です。窓は、ただ空気を入れかえたり、光を取り込んだりするだけのものではなく、熱の移動が非常に激しいという性質を持っています。

例えば、冬の暖房時の熱が流出する割合は、床が7%、外壁が15%、換気が15%、屋根が5%に対して、窓は58%です。また、夏の冷房時(昼)に熱が入りこむ割合は、床が3%、外壁が7%、換気が6%、屋根が11%に対して、窓は73%という高い割合です(いずれもアルミサッシ使用の場合)。そのため、窓の断熱性が低いと、冬には窓辺で空気が冷やされて室内全体の温度が低下しますし、夏にはその真逆で室温が急上昇して蒸し風呂のようになります。

家にいくらしっかり断熱を施していても、窓に何も対策を講じていなければ意味がありません。

ヒートショックのみならず、熱中症を防ぐ意味でも、窓の断熱性能はとても大事な役割を果たします。1964年開催の東京オリンピック以降は、人の住む空間にアルミ製の窓を使う間違いを起こして住まいをつくっていたのです。なお、私の会社では25年以上前からアルミサッシを住宅では使用していません。アルミサッシは倉庫や人の住まない空間に採用します。窓の断熱性能を高める方法の一つに、窓ガラスを「ペアガラス」や「トリプルガラス」にする方法があります。

ペアガラスとは、二重になっているガラスのことです。2枚の板ガラスの間に乾燥した空気を密封して中間層をつくることで、外からの熱や冷気の侵入を防ぎ、断熱効果を高めることができます。

最近では、ペアガラスの中間層に空気よりも熱伝導率が低い「アルゴンガス」を密封したものや、熱を通さない真空状態にしたものも登場しています。また、トリプルガラスとは、ペアガラスの中間層にもう1枚ガラスを加えて三重(トリプル)にしたものです。3枚のガラスを組み合わせて二重のすき間をつくることによって、従来のペアガラスよりもさらに熱が伝わりにくくなり、冷暖房効率がアップします。遮音性も高いので、道路沿いや線路沿いに住んでいても外の騒音が気にならないくらい静かです。

最近ではLow-Eガラスという種類のガラスが使われるようになりました。Low-Eとは「Low Emissivity(ロー・エミシビティー=低放射)」の略で、板ガラスの表面に酸化スズや銀などの特殊金属膜を形成したり、スプラッターで表面を加工して、熱伝導をしにくくした複層ガラスです。外からの熱をさえぎる「遮熱タイプ」と、室内の熱を逃がしにくくする「断熱タイプ」があります。

これらのガラスの高断熱化によって室内は外気温に影響されにくくなり、冬の寒い時期でも結露ができにくく、カビやダニに悩まされなくなるというメリットがあります。

杉山 義博

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最終更新:5/17(金) 10:00
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