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「管理職とプレイヤー」を両立する人が陥るワナ

5/17(金) 5:50配信

東洋経済オンライン

管理職の多くがチームのマネジメントと同時に、個人の成果も求められる「プレイング・マネジャー」である点は、日本の労働事情の特徴としてよく挙げられます。
この日本特有ともいうべきポジションですが、『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』の著者で、日米両国にルーツを持つスティーヴン・マーフィ重松氏は、「プレイング・マネジャーの『リーダーとチームメンバーの距離が微妙に近い』という特徴によって、部下からの信用と個人成績、両方を損ないかねない」とその危険性を指摘します。

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■プレイング・マネジャー2つの課題

 プレイング・マネジャーは、「チームの成果」と「個人の業績」という2つの課題をこなすように会社からプレッシャーをかけられます。

 加えて、「チームの成果」には売り上げのような「数字としての成果」のほか、人材育成や人材活用、潤滑なコミュニケーションなどの「数字にならない成果」まで含まれており、課題は膨大にあるといえるでしょう。

 こうしてプレッシャーがかかったプレイング・マネジャーは、チームリーディング上、とても有効とは思えない極端なアプローチを取ってしまうケースが見受けられます。

・自分ファーストな「強権的リーダー」
・チームファーストで、皆のために我慢する「自己犠牲型リーダー」
 いずれのタイプも、「日頃接するチームのために、自分がやらなくては」という強い責任感によって、いつしか「自分のプレー」に重点がシフトする点が特徴です。

 自分ファーストタイプのプレイング・マネジャーは、「自分を中心にチームを動かそう」としがちです。「自分が成果を上げれば、それが組織のためにもなる」という発想に陥ってしまうのです。

 これは、「富裕層がもっと豊かになれば、富が浸透して貧困層まで広がり、全体が豊かになる」という経済学の「トリクルダウン理論」と似た発想です。

 英語の「trickle down」には「ポタポタ滴り落ちる」という意味があります。大金持ちがポタポタ垂らしたもので貧困層も潤うはずというのですから、傲慢の象徴のような言葉ともいえます。

 しかし、その気はなくても、プレイング・マネジャーはたとえ小さなチームであっても「トリクルダウン理論」を持ち込む可能性があることはぜひ自覚してほしいポイントです。

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最終更新:5/17(金) 5:50
東洋経済オンライン

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