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「結婚しない派」男性が40歳過ぎて変心したワケ

5/17(金) 5:20配信

東洋経済オンライン

 東北地方にあるカフェに来ている。飲食店経営者の伊藤裕也さん(仮名、49歳)は約束の時間から30分ほど遅れて来てくれた。1年半前に開業した店がようやく軌道に乗り、営業時間外も仕込みや掃除で多忙を極めているという。

 引き締まった長身で、使い込んだライダースジャケットを身に着けている裕也さん。少しだけ白髪は見えるが、整った顔立ちで肌艶もいい。刑事ドラマに出てくる俳優のような若々しい男性だ。

 「ストレスもないし、苦労してないからですよ」

 爽やかに笑う裕也さん。結婚をしたのは4年前、同じく初婚の利律子さん(仮名、36歳)と1年半ほど付き合ってから入籍をした。

■「好かれそうな自分」を演じる癖がついていた

 20代から30代を通して、国内外の職を転々とする風来坊的な生活を送っていた裕也さん。若い頃は「本当の自分は誰にも受け入れてもらえない。自己完結しなくちゃいけない」という気持ちが強かったと振り返る。

 「子どもの頃に母親から『90点以下は点じゃない』などと言われ続けた影響かもしれません。親が望むような子にならなくちゃいけない、素の自分は受け入れてもらえない、と思っていました。社会に出ていろんな人に会うことで、その呪縛から抜け出せたのでしょう」

 ただし、裕也さんの自己解放ペースは緩やかなものだった。人の前では無理をして「好かれそうな自分」を演じる癖がついてしまい、それに疲れて1人になりたいと願うことの繰り返し。恋人に対してもあけすけに自分を語ることはできなかった。

 「そのうえに、いい夫やいい父親になるなんて不可能です。結婚する気は長らくありませんでした」

 1人になりたいと望む一方で寂しがりの側面もある裕也さん。飲食が好きで、とくに夕食は誰かと共有したい。酒場で「いい女の子」がいると話しかけ、仲良くなり、そのまま交際に至ることも少なくなかった。

 「いい加減に付き合っては別れていたと今では反省しています。どの女性とも最終的には結婚するのかしないのかという話になり、私が『どっちでもいい』と言うと、相手から『どっちでもいいなら結婚しよう』と返され、それは気が進まないので同棲のままでもいいじゃんと思ってしまい……」

■きっかけはある男友達との会食

 軽やかな印象を受ける裕也さんだが、自分の家族を作ることには拒絶反応を示していたのだ。親しい友人にその理由を話すと、こんな指摘をされた。

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最終更新:5/17(金) 5:20
東洋経済オンライン

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