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愛称は「あずま」、日立製「英国新幹線」の実力

5/17(金) 5:30配信

東洋経済オンライン

 イギリスで蒸気機関車が実用化されてからまもなく200年。鉄道発祥の国で、日本語の名前を冠した高速列車が5月15日、 営業運転を開始した。

【写真】側面に入った「AZUMA」のロゴ

 列車の名前は「AZUMA(あずま)」。ブリテン島の東側を南北に結ぶ東海岸本線を、極東の国・日本から導入した車両が走ることから名づけられた。

 日本が誇る新幹線車両の技術が認められ、イギリスの大動脈を走ることになった「あずま」。いかにして導入が決まり、営業運転までこぎ着けたのか。改めてその経緯を追ってみることにしよう。

■鉄道発祥の国に「恩返し」

 営業運転開始に先立ち、運行会社のLNER(ロンドン・ノース・イースタン鉄道)は車両を製造した日立製作所の関係者や国内外のメディア関係者らをお披露目列車に招待した。

 日立の川畑淳一笠戸事業所長は「これまで日本は鉄道発祥の地であるイギリスから技術を学んできた。車両をイギリスへ納めるのは恩返し」と述べ、「あずま」が日本とイギリスの懸け橋的な存在になるようにと期待をにじませた。

 LNERのロビン・ギズビー会長は「あずまは加速性能が高く、ロンドン―エディンバラ間で4時間を切れることから航空機とも戦える」と述べたうえで、「電化区間も非電化区間もある我々の路線のどちらも走れる『バイモード仕様』のおかげで機動性が高まる」と、従来車両にない特徴を推していた。

 車両のスペックとしては最高時速220kmで走れるが、現状では時速200kmが限界だ。これについてギズビー会長は「信号システムが区間により異なるうえ、平面交差の踏切がたくさんあり、高速で走るのは他の陸上交通に危険がある」と指摘するが、むしろ大きな問題は軌道の状態から、車両の足回りがよくても高速性能が出しきれないという事情にあるようだ。

 もっとも、揺れはかなり改善されたようで、同乗した地方紙の記者は「従来車両のインターシティーでは、テーブルに置いたコーヒーがこぼれたりしたが、新型車両ではそんなことはなさそうだ」と話していた。

 筆者も乗ってみたが、「あまりにも乗り心地が日本的で、イギリスの新しい車両に乗った気がしない」と言えるほど快適だったというのが正直な感想だ。座席は回転せず、一般車両はリクライニングがないという欧州仕様だが、それでも日本の新幹線を知るイギリス人たちは「まるでシンカンセンのようだ」とお世辞抜きで高く評価していた。

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最終更新:5/17(金) 19:23
東洋経済オンライン

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