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ストリーミング戦争は、「広告付き」サービスの市場へ : AVOD に集まる新しい期待

5/18(土) 7:10配信

DIGIDAY[日本版]

ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)やワーナーメディア(WarnerMedia)などの大手メディアが、新しいサブスクリプションストリーミングサービスで、D2C(Direct to Consumer:ネット直販)に進出しようとしている。ディズニーとワーナーメディアは、何十億ドルもの資金をつぎ込んで自社のサービスを展開するはずだ(Appleも同じだ)。これから起こるであろうサブスクリプションストリーミング動画をめぐる戦いが、多くの注目を集めているのも無理はない。

だが、ストリーミング動画の世界では、さらに熾烈なもうひとつの戦いが起こりつつある。まだ、テレビ広告に流れている700億ドル(約7.8兆円)の広告費をめぐる争いだ。

マグナ・グローバル(Magna Global)によると、OTT(オーバー・ザ・トップ)はテレビ視聴の29%を占めているが、現時点でテレビ広告予算の3%しか獲得していないという。ますます多くの消費者がコネクテッドテレビに押し寄せるなか、ハイテク大手、デバイスメーカー、テレビネットワークなどさまざまなプレイヤーが、OTTエコシステムに流れ込むことが確実視される広告費の分け前を求めて、サービスを展開している。

ただし、OTT市場が非常に大きな可能性を秘めているとはいえ、成功を保証されている動画配信企業はほとんどない。

増加を続けるOTT広告

コネクテッドテレビで視聴される動画の数は増えているいま、広告主がこの流れを追いかけるのは当然のことだ。

マグナ・グローバルの推定によると、OTTベースの広告の収益は2018年に27億ドル(約3000億円)に達し、前年同期比で54%の成長となった。この伸びはマグナ・グローバルの当初の予測を上回るものだ。同社は当時、2018年のOTTの広告収益を22億ドル(約2450億円)と予測していた。同社の新しい予測によれば、2019年には39%増の38億ドル(約4240億円)、2020年には31%増の50億ドル(約5580億円)になるという。

現在、OTT広告市場のリーダーはHulu(フールー)とロク(Roku)だ。すでに両社は、かなりの規模の広告ビジネスを展開している。Huluは2018年に15億ドル(約1670億円)の広告収益を上げ、前年同期比で45%の成長を達成した。一方、ロクは「プラットフォームからの収益」で約4億1600万ドル(約464億円)の利益を生み出したが、このほとんどは広告から得られたものだという。

「広告インプレッションの増加は、コネクテッドテレビで動画を視聴する人々によってもたらされている」というのは、マグナ・グローバルでグローバルマーケットインテリジェンス担当EVPを務めるビンセント・リターン氏だ。「我々が見たところ、この増加はおもにふたつの要因からにもたらされている。ロクのようなOTTスペシャリストによる広告販売と、コネクテッドテレビのようなOTT環境でしか見られない広告フォーマットの拡大だ」。

米国のあるケーブルネットワークの幹部によれば、2019年にはOTTの広告収入がデジタル加入者による収入を上回る見込みだという。

この幹部は、ディズニーとワーナーメディアが計画しているストリーミングサービスに触れたうえで、「このような超大手(のサブスクリプションストリーミングサービス)がNetflix(ネットフリックス)に挑戦するようになれば、状況はたちまち変化するだろう」と語った。「ただし、我々はSVOD(定額制動画配信)にまだ大きな疑問をもっている。いまは、SVODの成長の可能性を見きわめながら5年間の予算予測を行っているところだが、再来年の成長についてはかなり控えめに考えている。AVOD(広告付き動画配信)のほうが、成長の道筋がはるかにはっきりと見えるように感じられるのだ」。

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最終更新:5/18(土) 7:10
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