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なぜスロベニアは「世界で最も持続可能な国」なのか

5/18(土) 8:40配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

未来の世代のために大切に守られてきた歴史ある風景の宝庫

 現在のスロベニア共和国を含む地域は数世紀にわたり、ローマ帝国、東ローマ帝国、オーストリア=ハンガリー帝国など、ヨーロッパの列強に支配されてきた。その小国(面積は日本の四国とほぼ同じ)が近年、自然保護の世界的なリーダーの座に君臨している。2016年、「世界緑の日会議(Global Green Destinations Day conference)」で世界で最も持続可能な目的地に選ばれたスロベニアは、国土の半分以上が森に覆われ、起伏のある土地に保護区や公園が点在。記録されているだけで2万2000種もの動植物が生息する。

ギャラリー:「世界で最も持続可能な国」スロベニアの絶景20点

「スロベニア人は今も昔も、土地と密接につながっています」と語るのは、首都リュブリャナの旅行代理店で、持続可能な観光についての研究所も併設する「グッドプレイス」のパートナー兼創業者ジャナ・アピフ氏だ。「私たちは歴史を通じて、おおむね農民でした。土地は生き抜くための鍵でした。スロベニア人は環境保護のDNAを持っているというのが私の口癖です。スロベニアでは、自然破壊が最も悪いことだと考えられているためです。だからこそ、国土の40%近くが何らかの形で保護されているのです」

 北西をアルプス山脈、南をディナル・アルプス山脈、南西をアドリア海、東をカルパチア盆地(パンノニア平原)に囲まれた多彩な風景がスロベニアにあるのは、ちょうどユーラシアプレートの端にあり、アドリア海に突き出たアフリカプレートによって北東に押し込まれているためだ。国土の半分近くの土地が多孔質のカルスト地形で、石灰岩の洞窟が迷路を成している。

 この地形のおかげで、人口約200万の小国には共同体意識と土地を大切にする価値観が深く根付いている。人々のそうした意欲と土地への敬意は、スロベニアのどこに行っても、アウトドアアドベンチャーや新鮮な食材でつくられた料理を旅行者に約束する。さらに付け加えるならば、どのブドウ園でもほぼ間違いなく素晴らしいワインを飲むことができる。

文=ALEX CREVAR/訳=米井香織

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