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蝶に始まり光にたどり着いたアーティスト、ルート・ブリュック。

5/18(土) 17:31配信

フィガロジャポン

ルート・ブリュック。フィンランドを代表するアーティストである彼女の名に聞き覚えのある人は、おそらくよほどのフィンランド通だろう。そして、これまでブリュックの仕事が日本で知られてこなかったことを不思議にも思っているのではないか。ついに日本でも本格的に紹介されることとなったブリュックの展覧会『ルート・ブリュック 蝶の軌跡』が、東京ステーションギャラリーで開催されている(6月16日まで)。

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あらためてルート・ブリュックについて説明しよう。小さな一枚の陶板から膨大なピースを組み合わせたモザイク壁画まで、数々の美しい仕事を遺したブリュックは、名窯「アラビア」の美術部門に所属。およそ50年間にわたって活躍したアーティストだ。版画の技法を応用して独自の釉薬や型の技術を開発するなど、唯一無二のクリエイティビティを発揮した作品はいまも高く評価されている。本展は、フィンランドの首都ヘルシンキに隣接する街エスポーの「エスポー近代美術館(EMMA - Espoo Museum of Modern Art)」で2016年に開催されたブリュックの生誕100周年展を基にしたもので、約200点のセラミックやテキスタイルなどを紹介する。

「今回の展示はEMMAで開催され展覧会を基に、あらためて日本のみなさんにルート・ブリュックとはどういった人物であったかを解釈していただいた展覧会です。ここにある作品は、なによりも雄弁に母を語る自伝的なもの。展覧会自体が言葉のない自伝といっていいのかもしれません」と話すのは、娘であり、国際的なアーティストとして活躍するマーリア・ヴィルカラ。本展のために来日した彼女の案内で、ブリュックの人生の軌跡を追いかけてみよう。

娘マーリア・ヴィルカラが、母にオマージュを捧げた作品からスタート。

会場に入ってすぐに置かれるのは、横浜トリエンナーレ、大地の芸術祭、瀬戸内国際芸術祭などにも参加する美術家マーリアによる、母へのオマージュ作品。ブリュックが遺したピースを使い、アーティスト同士として、母娘として、対話が成された貴重な作品だ。

「以前にEMMAでも発表したものを再構成しました。これは母に捧げる詩のような作品です。展示が作家ブリュックのキャリアを追いかける物語のような構成になっていることから、ここでもそれを踏襲しています。ブリュックの色や素材の探求が、晩年へ向かうにつれて白黒となり、最後は白のみで構成されていく。この後に続く展示をご覧いただいた後にもう一度見ていただくと、ブリュックが生涯を通じて何を追求したのかが理解いただけるかと思います」

本作を支える土台には茶箱を使い、マーリアは「日本のみなさんにとって日常を思わせる要素を入れ込むことで、みなさんにもブリュックの作品が身近なものであるように感じていただきたかった」と話す。

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最終更新:5/18(土) 17:31
フィガロジャポン

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