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野菜が主役! パリのレストラン3選──特集「パリのグルメアドレス High & Low 2019」

5/18(土) 20:15配信

GQ JAPAN

「もっと野菜を!」。健康や環境への関心が高まりを見せるなか、パリではべジタリアン料理やヴィーガン料理への視線が熱い。パリで話題のヘルシー・ガストロノミー・レストラン3軒を紹介。

【写真を見る】パリにある野菜がうまい店!

ガストロノミーレストランの最先端のあり方を──アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ

オートクチュールショップが立ち並ぶモンテーニュ通り25番地。パリのパラスホテルの中でもひときわ格式高いプラザアテネは、2014年、大々的にリニューアルし、その際、メインダイニングのコンセプトも一新した。シェフのアラン・デュカスが日本の精進料理からインスピレーションを得て「自然と大地を重んじ、もっと健康的に食べる」料理にメニューを変更したのである。つまり魚、野菜、穀物だけで構成されるメニューを打ち出したのだ。

肉食大国のフランスにおいて、まして歴史あるパラス・ホテルの正真正銘のガストロノミー店で肉なしの料理とは、と世界中のグルメたちは目を剥いたのだった。世界中に23軒もの店をもち、有能な経営者としても知られるデュカス氏に、人々は懐疑的な姿勢をとった。それでもデュカスと料理長のロマン・メデールは、このコンセプトを信じて突き進んだ。

メデールはプラザ・アテネに入る前は、モーリシャス島やドーハのデュカスの系列店でシェフを務めたデュカスグループの秘蔵の俊英。その経歴が一風変わっている。「今の若者は肉の扱い方が分かっとらん」と料理人だった祖父の言葉を受けて肉屋の見習いに。だが「このままでは平坦な道が待っているだけだ」と方向転換し、フランス料理を学ぶために職業学校に進んだ。

メデールが野菜やシリアルに目覚めたのは、カタールの首都ドーハのイスラム美術館内のレストランの料理長をしていた時だ。モロッコ、レバノン、インドなどに何度も通い、旅によって得たものをフランス料理に取り入れた。穀物やハーブの特性、発酵、抽出など熱心に研究し、油分と糖分を必要最小限に控えた料理を研究し続けた。

プラザ・アテネのリニューアル1年目、ミシュランは慎重な態度で、3ツ星から2ツ星に降格したが、翌年2016年3ツ星に返り咲く。新改革から5年の歳月が過ぎた今、食シーンは大きく変貌を遂げている。ロマン・メデールは今のフレンチガストロノミーで、最も熱い視線を浴びるシェフの一人となった。「こんにち、ゲストはこの店がどんな料理を提供するのかを知った上で、“ここにしかない体験”を求めて来られます」とメデールは語る。

野菜はヴェルサイユ宮殿の離宮、トリアノン宮の菜園からとれたてが毎朝厨房に届く。1682年に農学者ラ・カンティニーの指揮で作られた野菜園と果樹園で、当時ルイ14世は好物のアスパラガスを誰よりも早く食べて自慢していたそうである。「農園主とは毎週1回会って、どんな野菜を求めているか、どのように育てているか、とことん話し合いをかさねます」 

そら豆、グリーンピース、ズッキーニ、かぼちゃ、ナス、インゲンと言葉にすると平凡な野菜も、まさに素材にこだわり抜いた“オート・クチュール”ならぬ“オート・ベジタブル”といえるだろう。

野菜尽くしの一皿「ベルサイユ宮殿の根菜」は、菊芋、ごぼう、カブといった根菜をココット鍋でゆっくり火を通すことによって野菜の甘みを凝縮させた。アクセントになった黒にんにくとリンゴは同じテクスチャーになるよう完璧な火入れにし、チェリーで甘みと酸味のバランスをはかる。アーティチョークの香りをしばせたソースは、中東のヨーグルト“ラバン”の製法で調理。野菜の魅力が奥深いことをしみじみと感じさせられる。
 
客席は50席。厨房では25名の料理人がきびきびと働き、サービスは25人。客を満足させることに使命を持つプロフェッショナルなもてなしで、世界中から連日グルメが駆けつける。

Alain Ducasse au Plaza Atheneeアラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ
住所 25, avenue Montaigne 75008 Paris
TEL 33.(0)1 53 67 65 00
営: ランチ12:30 ~ 14:15 /ディナー 19:30 ~22:15
休: 月~水のランチ、土、日
ランチコース210ユーロ、ディナーコース395ユーロ アラカルト250ユーロ~
グルテンフリー向けの料理もある。 
要予約

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最終更新:5/18(土) 20:15
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