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シトロエンDSを普段使いする!──【連載】粋な絶版名車のススメ

5/18(土) 21:11配信

GQ JAPAN

絶版名車とは「今もその当時の存在感や魅力があせることなく、現在のクルマにはない“味”をもち続けるクルマ」である。クラシックカー市場が高騰し続けるいま、そんな先取りしたい絶版名車を紹介する。

【写真を見る】シトロエンDSの美しき姿!

極めつけに美しいハイドロ・シトロエン

2018年8月の当欄にて、筆者は「ハイドロ・シトロエンを普段使いする」と題した文章を書いた。ハイドロ・シトロエンとは、一般的な金属バネの代わりにオイルと窒素を使ったサスペンションシステム「ハイドロニューマチック」を採用していた往年のシトロエン車のことである。

その際に筆者は、ハイドロ・シトロエンのなかでも「GS」や「BX」という、実用車寄りの小ぶりなモデルを普段使いする──とのイメージで原稿を執筆した。

「経験豊富な専門店でしっかり正しく整備した個体であれば、ハイドロのGSだろうがBXだろうが、2019年のニッポンで普通に乗れるものなのだ」というのが、その大まかな趣旨である。

だがそれは一部間違っていた。

ハイドロニューマチック世代(おおむね1950年代半ばから1990年代初頭)のなかでも極めつけに美しく、その半面、「今現在の道路を普通に走らせるにはさすがに無理があるだろう」と筆者が勝手に思っていた「DS」という当時のフラッグシップがある。そのフラッグシップも、やり方次第ではごくごく普通に2019年のニッポンで普段使いできることを、遅まきながら知ったのだ。

40年以上前のクルマでも現代ニッポンで乗れる

シトロエンDS。それは、自動車雑誌風に説明するなら「1930年代から50年代まで販売されたトラクシオン・アヴァンの後継モデルとして1955年に登場した、シトロエンのアッパーミドルクラス」ということになる。

だがそんな説明よりも、こう言ったほうが確実に伝わるだろう。

「ほらアレですよアレ。古いフランス映画に映るパリの街を走っていた、宇宙船みたいなカタチをした不思議な、でもなんだかとっても素敵に見えるあのクルマのことです」

第2次世界大戦が始まる直前の1938年に開発計画がスタートし、そして1955年のパリ・サロン(パリで2年おきに開催される自動車ショー)で発表されたシトロエンDSは、当時のテクノロジーの粋を集めた先進性と独創的なスタイリングにより、またたく間に人々を魅了した。資料によれば、パリ・サロンの初日だけで約1万2000台ものオーダーが入ったという。

その後もDSはフランスの富裕層や粋人たちに愛され続け、あるいはフランス大統領の公用車などにも選ばれ、そして数々の名作映画にも重要な脇役として登場しながら、1975年まで生産を続けた。

新車としての製造販売が終了となった後も、DSは当然ながらユーズドカーとして世界各地の粋人に愛され続けた。

だが「生産終了から40年以上もの歳月が経過した」という事実と、「ややこしい部品もたくさん使用している高価なフラッグシップモデルだったから」という2つの理由に基づき、筆者は「実用車だったGSやBXはさておき、さすがにDSを今普通に乗るのは難しいだろう」と思っていたのだ。いや、思っていたというよりは「早合点していた」というほうが正しい。

だが先ほど申し上げたとおり、それは間違いだった。

その後の取材により、まるで宇宙船のごとき1950年代から1970年代製のシトロエンDSも、前述の実用的なGSやBXと同様に「経験豊富な専門店でしっかり正しく整備した個体であれば、2019年のニッポンでも割と普通に乗れる」ということを知ったのだ。

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最終更新:5/18(土) 21:11
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