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ひとり暮らしの人は特にオススメ! 大人から始める「音読」はメリットいっぱい

5/18(土) 13:00配信

週刊女性PRIME

 年を重ねるほど新たな出会いも少なくなり、決まったパターンになりがちな毎日の生活。極端な話、朝にテレビをつけて、そのまま1日を終えることもあるかもしれない。そんな日常に変化をもたらすことができるのが、「読む」ことと、累計20万部のベストセラー『心とカラダを整える おとなのための1分音読』著者の山口謠司先生(大東文化大学准教授)は話す。

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新元号を迎えた今、あらためて日本語の基礎の文献、本を読む

「小学校や中学校の授業、あるいは高校の古典で読んだような、誰しもが知っている作品があり、また知っている作者がいます。その名前をふと見たとき、“ドキッとする”“キュンとする”感情に駆られませんか? そんなときめきが“心にいい”のです。例えば、森鴎外の『舞姫』は高校の教科書に採用されていますが、読み進めると高校生のときの気持ちを思い出し、立ち返って“キュン”とするのではないでしょうか」

 また、これらの作品をただ「黙読」するのではなく、声に出して「音読」することで、心だけでなく身体にもいい影響を与えることができる。

「特に、ひとり暮らしをされている方の場合、誰とも話さずに声を出さなくなってしまうと、だんだんと口やのどの筋肉が衰えていきます。すると、次第にごはんも食べられなくなっていき、身体も弱っていってしまうこともあります。声を出して読むことで、心だけでなく、身体も元気に整えることができるのです」

 では、実際に音読を始めるにあたり、具体的にどんな作品を読めばいい?

「私がオススメしたいのは、明治、大正、昭和初期の作家が書いた作品です。当時使われていた古い言葉は、70代、80代の方が子どものころに読んでいた言葉なのですが、これは私たちが使う現代日本語の基礎を作っている言葉なのです。極端な話、音読をするのに漫画でも何でもいいと思いますが、せっかくですから、日本語の基本に立ち返る意味でも、ぜひ基本の文献、基本の本を読んでいただきたい」

 子どものころに1度は読んだ、見たことがある作品でも、大人になって読み直すと、また違った感想と感情をめぐらすことができる。例えば、小学校で習う児童文学の定番作、新美南吉の『ごん狐』だ。

「小学生で読んだときは、“狐のごんが殺されてかわいそう”と思って終わりですよね。でも、大人になると、実際に親を亡くしたりと、さまざまな経験を積み重ねてきていることでしょう。今度は、ごんの立場だけではなく、ごんを撃った母を亡くした兵十の立場など、いろんな人たちの気持ち、視点になって物事をとらえることができます。

 また、言葉から音が聴こえてくる、においがしてくる、そういうものを書けるのが本当の作家です。特に芥川龍之介は、情景が浮かぶような言葉を天才的にふわっと出すことができるのですが、そんな情景を思い浮かべ、思い起こしながら読む。これは子どもにはできないこと」

 また音読をすることは、医学的視点から見ても「脳の活性化」や「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の予防」などのメリットが多く、「子どものものだけにしておくのは、あまりにももったいない」と、医師の森田豊先生も太鼓判を押す。

 最後に今1度、山口先生に“音読のすすめ”を問うた。

「現実も大切ではありますが、音読をすることで、しばし作品の世界にたっぷり身を浸してみてください。そうすることで心と身体に、豊かな元気の素を育むことになるのではないでしょうか。普段、音読をする機会はなくなっているかもしれませんが、ここで童心に返って、また大人としてあらためて日本語の持つリズムと美しさ、楽しさを感じていただきたいですね」

■読む前の「音読体操」で口まわりのシワも改善!
・口を閉じた状態で、舌を歯の前に出し、頬のほうまで左右10回ずつ動かす。
・唇をぶるぶると震わせる。思い切り舌を出して伸ばす。
・口を大きく動かしながら「あいうえお」を発声する。

 とにかく口のまわりの筋肉を意識して動かしましょう。音読でも、恥ずかしがって小さな声で口も動かさないのであれば、意味はありません。下手でもいいから大きな声で、シワをつくらないためと思って大きく口を動かしましょう。

<プロフィール>
山口謠司 博士(中国学)大東文化大学准教授
ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。専門は文献学、書誌学、日本語史など。NHK『チコちゃんに叱られる!』ほか各種メディアでも活躍。『語彙力がないまま社会人になってしまった人へ』など著書多数。

最終更新:5/18(土) 13:00
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