ここから本文です

阿川佐和子さんに学ぶ 人の話を聞く力(井上芳雄)

5/19(日) 7:47配信

NIKKEI STYLE

■相手の話に集中するために

僕に限らずだと思いますが、インタビューを受ける側の心情として、あらかじめ用意した質問を順番通りに聞かれても、気持ちが盛り上がってこないことがあります。もっと話したかったのに、さっと切り上げられて次の質問に移られると、自分にはあまり興味がないのかなと感じ、通り一遍の受け答えになってしまうかもしれません。阿川さんは逆で、もっと聞いてほしいというサインを見逃さず、しっかり突っ込んでくれる会話のキャッチボールがありました。それが、自分を分かってくれている、という気持ちにつながったように思います。
そういえば、阿川さんは質問のメモを持たずに話していました。「(テーブルに)何も置かれないんですね」と言ったら、「メモがあるとそれに縛られるし、一瞬でも目を落としたら、相手も『今、見たな』と気になるでしょう」と。相手の話に集中するために、できる限り何も置かないようにしているそうです。
誰しも自分のことを分かってほしいから、話を聞いてほしくない人はいないはず。相手の話をちゃんと聞ける力というのは、インタビューに限らず、仕事や日常の会話においても一番大事なことだと、あらためて思いました。とても難しいことではありますけど。
そんな阿川さんの聞き上手を学んで、僕も人の話を聞くときに、何か生かしてみたいと思っています。

井上芳雄1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP社)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第45回は6月1日(土)の予定です。

2/2ページ

最終更新:5/19(日) 12:15
NIKKEI STYLE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフスタイルに知的な刺激を。
生活情報から仕事、家計管理まで幅広く掲載
トレンド情報や役立つノウハウも提供します
幅広い読者の知的関心にこたえます。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ