ここから本文です

グーグルの新型Pixelに迫る、中国「魅族」の400ドル台端末の実力

5/19(日) 7:00配信

Forbes JAPAN

グーグルは、ミドルレンジの新型スマホ「Pixel 3A」を発表した。販売価格は約400ドルと、以前のPixel 3の半分ほどだが、米国のメディアは「コストパフォーマンスが高い」と評価している。

しかし、中国製品が普及している他の市場では、状況は異なる。筆者はこの1週間、中国のスマホメーカー、Meizu(魅族)の「16S」をテストしてみた。16Sは、ゴリラガラスやハイエンドチップセット「Snapdragon 855」を搭載しながら、価格は440ドルに抑えている。

16SとPixel 3Aは、いずれも流行りのベゼルレスデザインを採用していないが、Meizuの方がベゼルが格段に細く、iPhone XSとほとんど変わらない。16Sは、ワイヤレス充電や防水に対応していないことを除けば、価格が850ドルほどするグーグルのフラッグシップモデルに匹敵する性能を誇る。


Meizuの16S(左)とiPhone XS(右)。16Sのベゼル幅は XSとほぼ同程度だが、ノッチがないためすっきりしている。

16Sは、深センの企業「Goodix」が開発した画面内指紋認証センサーを搭載している。Goodixの指紋スキャナーは、ファーウェイの「P30 Pro」やシャオミの「Mi 9」にも搭載されており、認証の速度と精度は非常に優れている。

6.2インチ(1080×2232)のディスプレイは、サムスン製OLEDだ。屋外での輝度は、サムスンやLG、ファーウェイのフラッグシップモデルに及ばないものの、屋内ではそん色がない。また、ボディは全体的に少し湾曲しており、持ちやすくなっている。

ソニー製センサーの高性能カメラ

48MPのメインカメラはソニーのセンサーを搭載している。これは、Vivoの「V15 Pro」に搭載されているサムスン製センサーよりも高性能だが、48MPの撮影よりも12MP相当の撮影の方が適している。他にも、3倍ズームが可能な20MP望遠レンズを搭載している。

メインカメラは高画質で、ダイナミックレンジは平均的だ。画像処理は、ハイコントラスト環境での撮影ではそれほど高くないものの、夜間での撮影性能は高い。昼間の撮影ではダイナミックレンジの乏しさも見て取れたが、夜間での撮影はダイナミックで解像度も高い。

3倍光学ズームの性能は宣伝されている通りで、照度の低い夜間でもしっかり機能した。ファーウェイやOPPOの端末には10倍ズームもあるが、価格は16Sの倍以上だ。

16Sは、動画撮影機能も優れている。この要因としては、Meizuのソフトウェア「EIS」が搭載されていることに加え、Snapdragon 855が動画処理に優れていることが挙げられる。1080/30fpsの動画は安定してスムーズだ。
--{高いパフォーマンス、派手なギミックはなし}--
高いパフォーマンス

16Sに搭載されている「Snapdragon 855」は、各メーカーの今年のフラッグシップモデルに最も多く採用されているチップセットだ。筆者がテストしたのは、メモリが6GMのベースモデルだが、パフォーマンスは非常にスムーズだった。

OSは、「Android 9.0」の上にMeizuのカスタムスキンである「Flyme」を乗せている。Flymeのバージョンは9.0で、ブロードウェアは少なく、最低限のデザインとなっている。唯一筆者が気に入らないのは、アプリトレイがないため、アプリを全てホームスクリーン上で保管する必要がある点だ。

バッテリー容量は3600mAhと特段大きくない。バッテリー持ちは、シャオミやファーウェイの端末ほどではないが、7日中5日は終日使用することができた。

派手なギミックはなし

Meizu 16Sは、他社製品のような派手な機能を搭載していない。例えば、OnePlusが近く発表する「OnePlus 7 Pro」は、リフレッシュレートが90Hzと、目の負担を軽減してくれる。また、筆者がテスト中の別の廉価版のOnePlus 7は、ノッチを避けるためにポップアップ式のカメラを採用している。他にも、「Honor」が発売予定のミドルレンジ端末は、4基のカメラを搭載している。

これに対し、16Sのカメラは2基で、今年の流行となっている広角レンズも搭載していない。また、ポップアップ式のカメラもない。

16Sは、派手さはないがベーシックな機能を重視した端末だ。最新のクアルコム製チップセットを搭載し(ファーウェイのKirin 980よりも信頼度は高いと言える)、動画撮影は非常に安定しており、スチルカメラも地味だがしっかりしている。デザインはエキサイティングではないが、人を不快にさせることもない。

今や大半の端末に搭載されているノッチが嫌だったり、ギミックの操作が面倒な人にとって、Meizu 16Sは最適な端末だと言える。中国端末が締め出された米国で16Sの代わりとなるのは、グーグルのPixel 3Aくらいだろう。

Ben Sin

最終更新:5/19(日) 7:00
Forbes JAPAN

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Forbes JAPAN
2019年10月号

株式会社アトミックスメディア

2019年10月号
8月24日(土)発売

980円(税込)

成功のヒントはフォーブスにあり!
Forbes JAPAN 無料会員に登録すると、すべての記事が読み放題。記事の保存や閲覧履歴チェック、プレゼントへの応募も可能に。

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事