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不登校の10歳ユーチューバ―「ゆたぼん」は親の操り人形か? その表情からみる本音とは

5/19(日) 8:32配信

HARBOR BUSINESS Online

子どもの表面上の言葉だけでなく、本音に目を向けよ

 最後に、ゆたぼんのやりたいことや将来の夢についてです。まだ定まったいないのではないかと思われるのは次の理由からです。

 茂木氏が「でも、今、やりたいことが出来ていてよかったね」(動画①0:05:33~)と発言したところ、ゆたぼんは、「うん」「う~ん」と言いながら、口角が引き下げられる、下唇が引き上げられる、上唇が引き上げられる、唇が窄められる、唇がプレスされる、唇がすり合わされるという動きを見せています。これは熟考や嫌悪を意味しますが、その後、具体的な発言はなされません。

 実は、ゆたぼん動画②で「子どもピースボートをつくって世界中の子どもと友達になり戦争をなくしたい」という夢を語っているのですが、0:04:51でゆたぼんの鼻の周りにしわが一瞬だけ寄ります。

 これは単なる筋肉の痙攣の可能性もありますが、表情筋の動きとしては嫌悪の微表情という可能性も考えられます。

 嫌悪の微表情ならば、夢を語るとというポジティブな話題とネガティブな表情とは一致しないため「子どもピースボートをつくる」という夢は強く思い描いているわけではないのかも知れません。

これらは彼の「本当にやりたいこと」なのか?

 茂木氏とのやり取りでもこのピースボートの話は登場せず、ゆたぼんは今興味のあるゲームだと答えます。また、仮想通貨などに興味があるかと思われる動画③の0:01:19で、「お年玉が増えています(保有資産が増えた)」というポジティブな発言をしつつ、鼻の周りにしわを寄せた嫌悪表情をしているため、言動が一致しておらず、これもゆたぼんの本当にやりたいことのようには思えません。

 ゆたぼんが本当にやりたいことは、これからの活動や経験を通じて見つけていけばよいでしょう。その中でゆたぼんは学校に戻るという選択をするかも知れません。あるいは、学びたいことはあるものの、それは学校にはなく、学校とは異なるシステムの中で学んでいくものなのかも知れません。

 声を上げないだけで、「潜在的なゆたぼん」は日本、否、世界中にいるかも知れません。子どもの表面上の意見だけにどうこう言うのではなく、その根底にある心に目を向け、耳を傾けるのが、大切だと私は思います。

【清水建二】
株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役・防衛省講師。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(「科捜研の女 シーズン16・19」)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『ビジネスに効く 表情のつくり方』(イースト・プレス)、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。

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最終更新:5/19(日) 9:34
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