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混沌たる世界を「アニメ」はどう変えられるのか

5/19(日) 5:10配信

東洋経済オンライン

街を見下ろす丘の上にある風車に住む孤独なブタの少年と、転校生フォックスの友情を描いたアニメ映画「ダム・キーパー」が、アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされたのは2015年のことだ。日本人監督の作品がアカデミー賞の候補になったことは、日本でも大きな話題となった。
手がけたのは、カリフォルニア州バークリーと日本に拠点を置くアニメーションスタジオ、トンコハウスの堤大介監督とロバート・コンドウ監督。ともにアニメーションスタジオのピクサーで、アートディレクターだった頃に、堤監督自身が脚本を書き、2人が監督として自主制作したのが「ダム・キーパー」だった。

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いわば“エリート”だった2人はその後、安住の地を飛び出して2014年にトンコハウス設立する。日本で育ち、アメリカの最高峰のスタジオでキャリアを積んだ堤監督と、日系アメリカ人のコンドウ監督。多様なバックグラウンドを持つ2人が率いるスタジオの強みは1つの国や1つの手法にとらわれない自由さにあるだろう。
2人の挑戦はとどまるところを知らない。アニメ制作や展示会を続ける傍ら、4月末からはトンコハウスの作品のほか、2人がインスピレーションを受けた世界のアニメ20作品以上を1カ月に渡って上映し、ワークショップも行うというという大規模な試み「トンコハウス映画祭」を東京・新宿で開催。さらに、日本のコマ撮り専門スタジオ、ドワーフとともに鬼を主役に据えた新作「ONI(仮題)」の制作で、新たな境地に挑んでいる。「会社の成長より大きな夢がある」と語る2人の原動力は何なのか。来日した両監督に聞いた。

■5年前に比べて、夢に現実的になった

 ──トンコハウスを設立して5年が経ちました。設立当初と変わったことは。

 堤:5年前、僕たちはとても理想主義でした。たくさんの野望と夢があった。当初描いていた夢がなくなったということはありませんが、いい意味でも、悪い意味でもこういう夢に対して現実的になりました。

 前は「作りたいんだったら作っちゃおうよ」という感じでしたが、今は実際に作るのにどんなことをしないといけないか、本当に作りたいのかどうかを考えるようになった。かつては2人の旅でしたが、チームが大きくなり大きなことができるようになるのに伴って、より大きな責任感を感じるようになっています。

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最終更新:5/19(日) 5:10
東洋経済オンライン

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