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叡山電鉄「ひえい」、奇抜デザインの裏に気配り

5/19(日) 5:40配信

東洋経済オンライン

 昨年、奇抜なデザインが賛否両論を巻き起こした日本の鉄道車両に、2018年3月21日から走り始めた叡山電鉄の観光用車両「ひえい」があった。

インパクトのある「ひえい」の前面。しかし車体の内外をよく観察すると…

 叡山電鉄は京阪電鉄などを擁する京阪グループに属する。同グループでは、中期経営計画「創生果敢」(2015~2017年度)の主軸戦略のひとつとして「観光創造」を掲げており、京都中心部から八瀬、比叡山を経由し、滋賀県の坂本や琵琶湖に至る観光ルートを「山と水と光の廻廊<比叡山・びわ湖>」として、活性化に取り組んでいた。

■目立つことは重要だ

 「ひえい」はその一環として、既存の700系デオ730形732号車を大幅にリニューアルし、観光用車両に仕立てたものだった。

 リニューアルにあたっては、叡山電鉄の2つの 終着駅近くにある比叡山と鞍馬山が発するダイナミックな「気」の循環を、 2つの山頂を極とする楕円ループになぞらえたという。

 しかしこのような説明を聞いても、落ち着いた緑色の車体の前面に大きく描かれた金色の楕円のインパクトが大き過ぎたためか、否定的な意見も多かった。

 こうしたインパクトは、叡山電鉄のような地方鉄道では大切だと思っている。比叡山は有名な観光地であるが、電車とケーブルカー、ロープウェーを乗り継いで行けることを知らない人もいるだろう。そのためには鉄道としての存在感を示す、つまり目立つことは重要だ。

 旧国鉄の蒸気機関車やディーゼルカー、大手私鉄の特急車両を観光目的で走らせる地方鉄道が多いのは、鉄道遺産の継承という目的もあるが、同時に鉄道や路線のアピールも含んでいる。

 一方で既存の電車やディーゼルカーを改造した観光列車も多い。関西で言えば京都府・兵庫県北部を走る京都丹後鉄道の「あかまつ号」「あおまつ号」「くろまつ号」がそうだ。

■単にインパクトがあるだけでない

 こうした先例を見ると、「ひえい」の成り立ちと見た目に納得できるのである。それに外観を観察していくと、インパクトの強さだけでなく、細部まで丁寧にデザインされていることがわかる。

 例えば楕円は前面のみならず、側面の窓にも連続して使われている。ただし金色の枠は中央の展望窓のみで、残りは緑の車体にしっくり溶け込んでいる。

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最終更新:5/19(日) 5:40
東洋経済オンライン

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