ここから本文です

自転車通勤で人にぶつかっただけで、貯金も職も失う地獄に落ちた

5/19(日) 16:00配信

週刊SPA!

 人生も中間折り返し地点となり、あとは老後に向けてもうひと踏ん張り……というところで、これまで築き上げてきた資産が強制消去。若い頃のように無理も利かないなか、突然に訪れた悪夢にどう対処すればいいのか。さまざまな実例と類型から考察した。

事故型・自転車事故で腰痛持ちに。60万円支払いどん底生活

貯金200万円→ゼロ

「自転車ツーキニスト」なる言葉も生まれ、自転車通勤者が増えているが、わずかな運転ミスが人生を大きく狂わせることもある。大手IT企業に派遣社員として勤務していた藤村さん(仮名・45歳・独身)は語る。

「社内でもブームだったので、健康と節約のために片道20分の自転車通勤を始めたのですが、まさかこんなことになるとは……」

 藤村氏はある日、横断歩道上で杖をついた高齢女性に接触し、転倒させてしまったという。

「最初は大したことないと思っていたのですが『痛い! 救急車呼んで!』と叫ばれ、嫌な予感がしました。保険にも入っていなかったので、一気に青ざめましたね」

 女性は骨折しており、即入院。藤村さん自身も冷静になるにつれて腰を強打していたことに気づき、猛烈な痛みに襲われ始めたという。

「その日のうちに検査を受けたのですが、異常なしと言われ、原因不明のまま。結局、慢性的な腰痛持ちになってしまったのです」

 女性からは弁護士を通して連絡があり、被害者への見舞金を支払うハメに。相場より少し高めの60万円を支払い、示談が成立した。

 だが、腰痛は一向に改善することなく、痛くてデスクに座っていられない状態に。

気がつけば契約解除に詐欺被害でニートに

「仕事の注意力も散漫になり、休んでいた間の遅れもまったく取り戻せなかったため、契約解除になってしまいました」

 寝ながらでも仕事ができる在宅ワークを必死に探し、仲介業者に登録料を払ったが、仕事を紹介されるどころか、後日、教材費として35万円を請求されてしまった。

「貧すれば鈍すというのか、詐欺に引っかかってしまったんです。事故から半年足らずで、200万円あった貯金はゼロになりました」

 家賃が払えなくなったため、現在は母親との2人暮らし。親の年金が頼みの綱で、気づけば氷河期世代の高齢ニートになっていた。

「この先どうなるのかまったくわからず、僕にも親にも出口のない絶望感しかありません」

 たった一つの事故ですべてを失った藤村さん。自転車保険に入っていれば、まだ違っていたかもしれないが……。

<専門家はこう見る>

●ファイナンシャルプランナー・藤川太氏 ⇒節約効果は小さいですが、「個人賠償責任保険」にセットでの加入がお勧めです

●レンタルCFO・鈴木吾朗氏 ⇒避けようのないトラブルが起きた際、貯金が少ないのは災いとなりますね

●弁護士・川口洸太朗氏 ⇒自己破産しても支払いが免責されない非免責債権というものもあるので注意

【藤川太氏】

ファイナンシャルプランナー。自動車メーカー勤務を経て、FPに。「家計の見直し相談センター」にて2万世帯を超える家計の見直しを行う。近著に『退職家計やりくりノート』(きんざい)

【鈴木吾朗氏】

レンタルCFO。複数企業で総額50億円以上の資金を調達した経験がある、資金調達および財務管理のプロ。ベンチャーのスタートアップを支援するリンクスを運営

【川口洸太朗氏】

弁護士。美容クリニック、飲食店、風俗店などまで幅広い案件を手掛ける。再開発に伴う建物や土地の明け渡し交渉など、トラブルの現場にも数多く携わる

取材・文/週刊SPA!編集部

― ある日突然[中年で無一文]の地獄 ―

日刊SPA!

最終更新:5/19(日) 16:00
週刊SPA!

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事