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広島 アドゥワ誠 止まらない“二十歳の進化”

5/20(月) 13:10配信

広島アスリートマガジン

 今季2度目の7連勝で、カープが首位・巨人にゲーム差なしの勝率4厘差まで迫ってきた。一時は約4年ぶりとなる借金8を抱え、首位とは7ゲーム差まで離された。4連覇は風前の灯火。誰もがそう思わざるを得ないほど、精彩を欠く内容のゲームが続いていた。

 ところが4月17日の巨人戦(熊本)で劇的な逆転勝ちを飾り開幕からのカード負け越しを5で止めると、そこから怒とうの8連勝。わずか11日で借金を返済した。その最大の原動力となったのは投手陣の踏ん張りだ。阪神を3タテした5月19日時点で、チーム防御率はリーグ1位。期待された岡田明丈、九里亜蓮が先発ローテーションから早々と脱落したものの、リリーフを含めた周囲の力投もあり試合序盤から自滅するような試合は影を潜めつつある。

 空席となった先発ローテ二枠のうちの一つを、期待以上の働きで埋めているのが今季から先発に転向したアドゥワ誠だ。昨季、中継ぎとしてフル回転したプロ3年目右腕は、開幕を二軍で迎えたもののすでに5試合に先発登板。規定投球回には達していないが、防御率1.42と抜群の安定感を見せている。「どの立場でも良いので一軍で優勝に貢献できれば」と語るように、本人のなかで先発へのこだわりはない。ただ、昨季に中継ぎを経験したことで、イニング数へのこだわりは強いという。

「少しでも中継ぎの負担を減らすことができればと思います。自分も中継ぎをやっていて、もし先発で投げることになったら1イニングでも長く投げようと思っていましたので」

 事実、四球で自滅した4月30日の阪神戦は5回で降板したものの、それ以外の先発4試合は完投を含めイニング数を稼いでいる。その間の自責点もわずかに『6』と、大崩れすることなく高いレベルで好調を維持。磯村嘉孝とのバッテリーは、日を追うごとに存在感を増すばかりだ。アドゥワの持ち味は打者の手元で動く球を駆使し、ゴロアウトの山を築くこと。新たに取り入れたスライダーを挟むことで、狙い球をさらに難しくさせている。

「キャッチャーも球種が少ないとリードが苦しくなってきますので、一つでも多くということでスライダーを投げています。仮に使えない球だったとしても、見せ球として使えれば良いと思って投げています」

 5月19日の阪神戦でも随所で持ち味が発揮された。7回111球の力投で21個のアウトを積み重ねたが、その内訳は三振がゼロで14個は併殺を含めた内野ゴロだった。前回の甲子園ではコースを狙いすぎてリズムを崩したが、すぐに修正してくるあたりにセンスの良さを感じさせる。

「取り組んでいるのは調子が悪いなら悪いなりの投球ですね。悪いとはいっても一つは使える球種があると思うので、それを中心に投球を組み立てることを考えています」

 ヒーローインタビューを見ても分かるように、高卒3年目ながら大人顔負けの冷静さとクレバーさを併せ持つ背番号48。体を含めて伸びしろしかない“二十歳の進化”は、この先も止まることなく続いていくに違いない。

広島アスリートマガジン編集部

最終更新:5/20(月) 13:10
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