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米国の強硬措置が中国経済の自律性を高める

5/20(月) 8:45配信

NRI研究員の時事解説

ファーウェイ規制に猶予措置も

米商務省は5月16日、中国通信機器最大手ファーウェイ(華為技術)に対して米国製品の輸出を事実上禁じる規制措置を、同日付で正式に発効したことを発表した。中国の本社のほか、日本法人を含む全世界の関連会社68社も対象となる。この措置は正式発表の翌日に発効したため、米国及び海外の企業では全く対応の準備が進んでいない。さらに、海外の企業にとっては、規制対象となる製品の範囲もわかりにくいことから、大きな混乱が世界規模で生じている。

ファーウェイは、米国のインテル、韓国のサムスン電子、オランダのNXPセミコンダクターズなど、約1万3,000社から年間約700億ドルの部品を調達している。このうち日本企業は、ソニー、三菱電機、村田製作所など約100社であるが、調達額は66億ドルと1割程度を占めている。米国以外の企業でも、米国製の部品やソフトウエアを25%超含む製品のファーウェイ向け販売は、今回の規制の対象になるとされ、日本企業への影響も出てこよう。

ところで、ロイター通信が17日に報じたところによると、米商務省は、ファーウェイ製品の利用を原則禁じる制裁措置を、近く一部縮小する可能性があるという。ファーウェイ製品は米国では小規模通信会社が多く採用しており、制裁発動でそれが一気に使えなくなれば、携帯電話やインターネットのサービスなど、業務に大きな支障が出るおそれがある。そこで米商務省は、ファーウェイとの取引を認める暫定認可を出し、新規ではなく既存の取引については、その適用に90日の猶予期間を与えるという。

これは、ファーウェイ製品の利用について、主に米中小企業に配慮した措置であるが、ファーウェイへの部品供給に対する制裁措置についても同様に、米商務省の運用、つまり匙加減によってその実効性を大きくコントロールできる。米商務省は否定しているものの、こうした点を利用して、米政府が対中貿易協議での交渉材料に利用することは考えられるところだ。

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最終更新:5/20(月) 9:25
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